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癌治療としての高濃度ビタミンC点滴療法の歴史 (2009年5月 3日 19:49)

p_img8.jpg現在の高濃度ビタミンC点滴療法が確立するまでは紆余曲折がありました。
その発端は、ノーベル化学賞(1954年)とノーベル平和賞(1962年)を受賞したライナス・ポーリング博士にあります。
彼は1日数十グラムのビタミンCを摂取すると風邪や癌を予防できると考え、ビタミンCの多量点滴と経口投与で進行癌患者の生存期間を有意に上げると学会に発表したのです。(1974〜1976年)
これに対しメイヨー医科大学では、ビタミンCの抗癌作用は無いと反論します。(1979〜1985年)
この論文に対しキャメロン博士は、メイヨー医科大学での結論はビタミンCの静脈注射投与ではなく経口投与のみの結論であるとし、ビタミンCの静脈注射投与による効果を支持しました。
ターニングポイントは2004年あたりでしょう。NIH(アメリカ国立衛生研究所)、NCI(アメリカ国立癌研究所)、FDA、のメンンバー達によるビタミンCの薬理動態の研究が始まります。
2005年に彼らは学会誌PNASに高濃度のビタミンCがH2O2(過酸化水素)を運ぶプロドラッグとして選択的に癌細胞を殺傷することを発表します。
これらを受け2005年カンサス大学で卵巣癌や子宮癌に対し、高濃度ビタミンCの投与経験を発表、2007年マギル大学で高濃度ビタミンC点滴療法が癌に有効だった症例を発表、2008年にはトーマス・ジェファーソン大学で悪性リンパ腫への高濃度ビタミンC点滴療法の効果が発表されたのです。
ビタミンCは通常我々の身体に常在する、最も安全で安価な薬品です。しかし、薬理学、生化学の世界では、その効果は計り知れない夢を我々に与えてくれているといえます。

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