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学会の最近のブログ記事

p_img8.jpg現在の高濃度ビタミンC点滴療法が確立するまでは紆余曲折がありました。
その発端は、ノーベル化学賞(1954年)とノーベル平和賞(1962年)を受賞したライナス・ポーリング博士にあります。
彼は1日数十グラムのビタミンCを摂取すると風邪や癌を予防できると考え、ビタミンCの多量点滴と経口投与で進行癌患者の生存期間を有意に上げると学会に発表したのです。(1974〜1976年)
これに対しメイヨー医科大学では、ビタミンCの抗癌作用は無いと反論します。(1979〜1985年)
この論文に対しキャメロン博士は、メイヨー医科大学での結論はビタミンCの静脈注射投与ではなく経口投与のみの結論であるとし、ビタミンCの静脈注射投与による効果を支持しました。
ターニングポイントは2004年あたりでしょう。NIH(アメリカ国立衛生研究所)、NCI(アメリカ国立癌研究所)、FDA、のメンンバー達によるビタミンCの薬理動態の研究が始まります。
2005年に彼らは学会誌PNASに高濃度のビタミンCがH2O2(過酸化水素)を運ぶプロドラッグとして選択的に癌細胞を殺傷することを発表します。
これらを受け2005年カンサス大学で卵巣癌や子宮癌に対し、高濃度ビタミンCの投与経験を発表、2007年マギル大学で高濃度ビタミンC点滴療法が癌に有効だった症例を発表、2008年にはトーマス・ジェファーソン大学で悪性リンパ腫への高濃度ビタミンC点滴療法の効果が発表されたのです。
ビタミンCは通常我々の身体に常在する、最も安全で安価な薬品です。しかし、薬理学、生化学の世界では、その効果は計り知れない夢を我々に与えてくれているといえます。



なかにはとてもユーモアのある先生もいらっしゃる。一見気難しそうな顔つきなのだが、ジョークを言う時だけ目元にしわがよる。実は有名人でてとも評判が高い先生なのだ。
「私の一生の願いは・・先生の目の上に脂肪注入をして差し上げることです。先生の目はへこんでいるから、お若いのに老けて見えるのです。」
などとパネラーの先生のひとりに笑いかける。

「私も以前から気にしておりました。その節はぜひ先生に手術をお願いします。」
と、うまくかわす。会場に笑いがおこった。

もう一つ学会の出席が良いことは、安心できることがあることだ。
「あっ。まったく僕と同じ手術だ。」
「僕は、あそこをもう少し工夫しているから、ちょっと勝っているかもしれない。」とほくそ笑む。

よし、来年は壇上にたってみようか・・。
(酒井形成外科 医師 酒井倫明)



photo1.jpg大学の授業と大きく異なる点は、各先生の失敗談や企業秘密を暴露してくれるところである。ある先生は失敗の原因を 解剖学にのっとって説明してくれるから、さらに奥深いものがある。とくに毎日のように実際の手術を手がけていると、「そうそう、そこ!・・どんな解決があ るのかな?」と説明が手に取るように分かると共に、「そうか・・みんな同じところで悩んでいるんだ!」と共感もできるのである。
「私も若いころ幾度となく失敗、挫折感を感じ、その後研究観察を続けるうち○○という結論に達しました。」
「・・・と言われていますが、私はここでちょっと・・・をずらして縫合するのがこつだと確信しています。」
こんな事はけっして教科書に記載はされていない。
また、各パネリストの先生の発表ごとに司会の先生が実に適切なコメントや質問をなげかけてくれる。
最後にフロアーにいる我々にも質問の時間が与えられている。
驚くべきことはご年配の医師がどうどう発言をされる事だ。
「先生方はどうやらハムラ(海外の有名な形成外科医)の信奉者のようでおられるようですね。しかし、白人にたいするオペはいざしらず、われわれ黄色人種に 対してはいかがなものなのでしょう。皮膚の厚さやたるみ度合はまったくといって異なります。ですから、私は蒙古系民族に対しては・・・・」
私もハムラの手法は知ってはいたし、それが単純にすばらしいものと信じていた。しかし、ハムラの手法を根底から勉強したことも日本人の解剖学に照らし合わせ調査しようと思ったことも無かったことに今気付いたのだ。
学問に長けている御仁は「老人ぼけ」にはならないものだと改めて思い知らされた日であった。
(酒井形成外科 医師 酒井倫明)



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