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フェイスリフトで評判だったクリニックを選んだのに、手術後傷跡が目立ち、耳たぶが下にひっぱられるような変形を起してしまった。しかもフェイスリフトの効果はほとんど感じられない。(55才 女性)

【主訴】

1年ほど前「口コミサイトの評判ランキング」のサイトを見て評判が よいといわれる某クリニックでフェイスリフトの手術を受けました。手術は2時間程度で終り思ったよりも楽でした。
手術後は包帯も巻く必要が無いと言われ、絆創膏で固定しただけで、3日後にはその絆創膏も取れました。内出血や腫れもほとんど無く、驚くほど簡単に日々が過ぎていきました。
しかし、頭の中や耳の後ろはホッチキスのような針がねで止めてあり、これできれいになるのだろうかと心配になっていました。抜糸後しばらくは傷跡が目立つがいずれ目立たなくなると言われ、がまんしましたが、術後6ヶ月もたっても耳の前の傷跡はしっかり見えますし、なにより耳たぶが下に引っ張られ、丸かった耳たぶはあごに向かって伸び切りとんがった感じに変形してしまいました。しかも法令線やマリオネットライン、さらに頬の垂れ込みは以前のままです。決して安い手術代金ではなかったのに、きれいになるどころか変になってしまいがっかりしています。

【回答】

この症例のような話しは時々耳にします。どんな名医が一生懸命がんばっても時に手術がうまくいかない事もあります。たとえば肌質です。残念ながら傷跡が目立ってしまう肌質の方がいらっしゃします。このような場合はトラニラストの投与行いながら注意して手術を進めます。
しかし、この相談者の場合むしろ主治医の手術手技が手抜きな感じを受けます。フェイスリフト手術では、まず、きちんと法令線までの広範囲の皮膚を剥離して、SMASも奥深くまで剥離しリテイニングリガメントをしっかり切離し処置します。こうしてSMASをしっかり釣り上げ、その上で剥離した皮膚をきれいに若返る方向に引っぱり上げるのです。この際フィブリンのり(生体接着剤)自己多血小板血漿等を注入すると効果が上がるばかりでなく止血作用も上がります。
その後、皮膚は溶解糸でしっかり真皮縫合をおこない、皮膚外部の縫合は髪の毛より細い糸で丁寧に縫合をします。頭皮はクリップでも良いのですが、頭皮以外や一般皮膚ではクリップは使いません。耳たぶは決して引っ張られないように、耳の後ろと頬骨弓の部位で皮膚をしっかり骨膜固定を施すのです。
このようなフェイスリフトの手術を行えば、手の早い美容外科医でも5〜6時間はかかります。私は顕微鏡を使ったりしますので、7〜8時間もかかることがあります。
さらに術後包帯できちんと圧迫をしないと剥離した皮膚の間に血液が溜まることがあります。これは血腫とよばれ術後変形をきたす恐れがあります。もちろん皮膚をしっかり剥離しない場合には効果も無いかわりにこの血腫の危険もないわけです。ですから、このように手抜きをした場合は、包帯もあまりしっかりする必要がないわけですね。
というわけでこの患者様の場合いずれの手続きもされていなかった、とおっしゃていますので、今度はしっかりした形成外科専門医の美容外科でフェイスリフト手術をやりなおせば、きっと良い結果に生まれ変わるでしょう。手抜きをして十分皮膚を取りきらなかった事と、剥離不足から皮膚の後戻り現象で耳たぶがひっぱられたり傷が開いたりしている場合は、比較的簡単に修正ができるのです。簡単といっても5〜8時間はかかるフェイスリフト手術ということは忘れないで下さい。



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