女性の外性器は、大陰唇(だいいんしん)と小陰唇(しょういんしん)によりデリケートな外尿道口(がいにょうどうこう)や膣口(ちつこう)を包み込むように保護する形態を整えています。
特に小陰唇は、たとえ大股を開いていても尿道口や膣を保護する役目を持っているのです。
膣はそれ自体筋肉の筒でできていますが、入り口から数センチのところから奥は腹腔内(ふくくうない)にあり、前方に膀胱(ぼうこう)、後方に直腸をしたがえています。


ご存知のように、膣は分娩時に産道を形成し、赤ちゃんの体がすりぬけるぐらい伸縮性に富んでいます。この膣の入り口には球海綿体筋(きゅうかいめんたいきん)が存在し、膣口の閉まりの調節をしています。
球海綿体筋は、肛門括約筋(こうもんかつやくきん)と連動し、反射的に無意識に動きますが、意識して動かすこともできます。肛門を閉めようとすると膣口も閉まるはずです。
女性器のいわゆる「われめ」の左右のふっくらした所が大陰唇です。大陰唇から「われめ」につづき、やや黒ずんだ襞状の形態が小陰唇です。
小陰唇は、上方で陰核(クリトリス)を包み(陰核包皮)、さらにその上方で大陰唇の皮膚とつながります。また小陰唇は、内側に向かいピンク色の粘膜状に移行します。ここを膣前庭といい、膣、外尿道口が開きます。
小陰唇は、思春期が過ぎるころから徐々に発達し、成人では大陰唇から若干はみでる感じになります。
時に小陰唇が大きく発育し、大陰唇から垂れ下がる(外に出ている)ようになることもあります。
この場合下着で小陰唇が引きつれたり、また、恥垢が溜まり炎症を起しやすくなったりすることがあります。
いずれ、機能的にあるいは形態的に小陰唇の肥大が気になるようなら、小陰唇を適量切除し形態を整えることは比較的簡単に行える手術です(小陰唇縮小手術)。
しかし、丁寧な形成外科的縫合法を行なわないと美しい仕上がりにはなりません。