老人の目の代表、上まぶたのタルミの改善

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若い頃はきれいな二重まぶただったのに、年齢を重ねるとともに、上まぶたの目尻が垂れ、目が三角形に小さくなってしまうことは誰にでもおこります。垂れ込む上まぶたにより、二重線も奥に移動し、重瞼線が見えなくなります。これを修正して、若さを取り戻したいという質問です。

Q) 48歳の女性です。若い頃には比較的しっかりした二重まぶたでした。30歳頃から二重の幅が小さくなって、最近では奥二重になってしまいました。さらに、上まぶたの外側がより弛みが強く、お年寄りの目つきになってきたと思います。お化粧をしても映えず、実年齢より老けて見えると感じています。何か良い改善法はないものでしょうか?

A) 加齢により男女を問わず、眼瞼の変化が現れ、年相応の顔つきになるものなのでしょう。
特に、上眼瞼の外側の垂れ込みはお年寄りの目の特徴でもあります。
さて、このようなお悩みには、上眼瞼の弛み切除が有効です。治療法としては重瞼線の周囲で、余剰皮膚を切除する切開重瞼形成法と眉毛の下の皮膚を少し多めに切除する、眉毛下皮膚切除法が一般的です。
切開重瞼法では、重瞼線の皮膚を多く切除する場合重瞼の形が不自然になりやすくなります。眉毛下皮膚切除では少量の皮膚切除では効果が少なく、どうしても大きな切開が必要になります。そうすると、場合によっては眉毛の下に目立つ傷跡が残ってしまうことがあります。
そこで、私たちは、まず、眉毛下皮膚切除を行い、上眼瞼を釣り上げます。この時皮膚切除をすこし控えめにしておきます。そうすると、眉下の傷跡は小さく目立たなくできるのです。つづいて、重瞼線では、綺麗な重瞼が確保できる程度に皮膚を少なめに切除するのです。つまり、1箇所で多く皮膚を切除するのではなく、2箇所に分けて皮膚を切除するという方法です。意外にも、このような手術を行う施設は少ないと思います。
しかし、これが、実はとても良い結果を呼ぶことを発見しました。
ですので、あなたにも、重瞼線と眉下部位での同時皮膚切除をお勧めします。

[コメント]

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出典:28p 5図 眼形成手術 高比良雅之・後藤浩 編集 医学書院 2016/11/ 1 発行

上眼瞼とは眉毛の下からまつげの生え際までを指しますが、眉下に近づくほど皮膚は厚く睫毛に近づくほど皮膚は薄くなります。特に睫毛近くのまぶたの皮膚は、人体でもっとも薄い皮膚となります。上まぶたの皮膚は睫毛から1cm くらいはとても薄いのですがそれを超え得てくると徐々に厚くなります。上眼瞼の余剰皮膚を切除するばあい、重瞼線での皮膚切除だけで行うと、重瞼が持ったりした不自然な感じになります。それは、重瞼線の上下で皮膚の厚さが異なるためです。

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また、上眼瞼の余剰皮膚の切除を眉下だけで行うとすると、眉下の傷跡がとても長くなり、場合によっては傷跡が目立ってしまうことがあります。

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そこで、眉下で適量の皮膚切除を行なった上で、重瞼線を考慮しながらここでの皮膚切除も同時に行うと、極めて自然で綺麗な眼瞼が作成できます。また、傷跡がもっとも目だたなくなります。つまり、眉下の傷跡を最小限にしながら、上眼瞼の皮膚の厚い部位を切除すれば薄い皮膚がのこり、自然な風合いを最大限残せるというわけなのです。」

ポイントは可能な範囲で眉下皮膚の切除を行い、不足分の皮膚切除を重瞼線の作成とともにこの部位での皮膚切除を適量行う様にするのです。

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このテクニックは意外に知られていないのですが、極めて自然で美しい目元を作り上げます。

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【術前】

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【術後1年】

症例は術前と術後1年を表しました。目の上のたるみと重さを取りあっさりした重瞼を希望された患者様です。切開重瞼と眉下皮膚切除を行いました。

治療費(モニター価格)45万円

合併症:予定外重瞼線、閉眼障害、傷跡の目立ち、感染、色素沈着、等