他院で行なった切開重瞼が「ハム目」になった??(その2)

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「ハム目」とは、重瞼線の上下で、いわゆる「プックリ」してしまったまぶたの事だろうと思います。食べる直前の生ハムのペラペラ感・・ではないはずですよね。

今回は、他院で行なった切開重瞼の傷跡が目立つ事と、二重が「ハム目」になったのを修正したいという希望の患者様の、カウンセリングから手術までを紹介いたします。(その2

「ハム目」とは、重瞼幅が比較的広く、厚ぼったい二重のことを指すと考えられます。その理由は患者様の眼瞼の皮膚がもともと厚いことや、重瞼幅が広すぎること、癒着が強く、リンパ流が悪いことなどが考えられます。

では、手術の実際と経過を説明しましょう。

Doctor):まず、もったりしたいわゆる『ハム目』を観察してみます。

重瞼幅が広く二重手術の傷跡が汚く癒着しています。目を閉じても、重瞼線は傷跡としてめだっているものです。

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D): では、さっそく手術法をデザインしてみましょう。

デザインを確認し終わったら、局所麻酔を注射します。注射針は34Gという直径0.5mm程度の極細針を使用します。ゆっくり麻酔薬を浸潤させると、痛みはかなり抑えられます。

【手術の説明】

23分待機し、デザインの上にメスを入れていきます。
最初に、現在の重瞼線(傷跡)を含め、睫毛側の皮膚を少し切除します。あまり切除しすぎると皮膚が不足します。

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続いて、睫毛側切開線の皮下を剥離し、少量の眼輪筋を切除します。また、眉毛側の切開線から上方に皮下を剥離し、皮膚が進展しやすいようにします。

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新しい重瞼線は術前の重瞼線より下方(睫毛側)に移動するように、縫合線を瞼板に固定します。あとは、丁寧に傷を縫合し、傷跡を目立たなくさせるようにします。

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最後に、瞼板から重瞼線を通し眉毛に細い糸を通糸します。これは、重瞼線を下げるにあたり、後戻りを防ぎながら、重瞼線を固定するためのものです。とても有効な手技です。

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D): ご苦労様でした。手術は終了しました。重瞼幅はなんとか縮小したようです。おそらく、眼瞼のプックリ感も改善すると思いますよ。

Patient): 先生、ありがとうございました。意外に、痛くないんですね。驚きました。思ったよりも腫れも少ないです。

D): これから1時間ほど冷やします。少し休んでください。家に帰ったら、今日は目の上を冷やしましょう。明日からは、冷やす必要はありません。また、明日、状態を拝見させていただきますね。

この患者様の眼瞼は6ヶ月程度でほぼ落ち着き、重瞼幅の縮小と、もったりした眼瞼の解消は、当初の予定より大きな効果を生みました。

〔コメント〕

切開法の重瞼術後、重瞼幅が大きすぎた場合修正がとても困難だと言われています。医師の中には、広すぎる重瞼幅を狭くすることは不可能とまでいう方もいるくらいです。

重瞼幅が広い症例の中に「ハム目」と呼ばれる現象があります。重瞼線から下がプックリ腫れている状態を指すようです。これは、切開手術の傷跡がきたなかったりして、リンパ液の滞りや筋肉や皮膚の厚さが原因のようです。

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手術の経過 : 他院で行った切開重瞼の幅と膨らみの修正
合併症とリスク : 瘢痕、重瞼線の消失、予定外重瞼線、色素沈着、感染、血腫
手術費用: (モニター価格) 両側 40万円

ハム目といえども、手術法の工夫で修正できる症例も数多くあると思います。ポイントは重瞼線上の皮下剥離と重瞼線下の瞼板上の眼輪筋の適度な切除です。大切なことは手術中の全ての手技は超絶丁寧に行わなければならないことです。

【症例 1】

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手術の経過 : 他院で行った切開重瞼の幅と膨らみの修正
合併症とリスク : 瘢痕、重瞼線の消失、予定外重瞼線、色素沈着、感染、血腫
手術費用: (モニター価格) 両側 40万円

【症例 2】

切開重瞼修正2.png

手術の経過 : 他院で行った切開重瞼の幅と膨らみの修正
合併症とリスク : 瘢痕、重瞼線の消失、予定外重瞼線、色素沈着、感染、血腫
手術費用: (モニター価格) 両側 40万円