くちびるを薄くする手術の概要
くちびるの粘膜には内側(口腔内)と外側があり中心に境があります。くちびるを薄くする手術では、この境の線を乱さないように粘膜と粘膜下組織を適量切除します。形成外科的縫合(ほうごう)をきちんと行うことで、唇の傷痕は殆ど分からなくなります。
くちびるを薄くする手術の欠点と利点
くちびるを薄くするのメリット
形成外科専門医は、口唇の解剖学的要素を熟知していますので、丁寧なデザインと後遺症の少ない切開縫合が可能です。ご希望に添った口唇の形態が形成されます。
くちびるを薄くするのデメリット
くちびるを薄くする手術のデメリットとして、くちびるを十分薄くしようとして大きく切除しすぎると、上下のくちびるが閉じなくなる恐れがあります。やり過ぎには注意が必要です。
また、くちびるの組織を切除しすぎると、感覚が麻痺することもあります。
術後経過とアフターフォロー
くちびるを薄くする手術の抜糸は、術後10日目に行います。
くちびるの腫れは2週間程度でかなり落ち着きますが、傷痕の硬さと赤黒さは2ヶ月ほど残ります。術後3〜4ヶ月で傷痕は殆ど分からなくなります。
洗顔や洗髪は、手術の翌日から可能です。お化粧は、くちびる以外は可能です。
くちびるを薄くする手術の詳細情報
施術時間 | 30分〜1時間程度 |
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施術後の通院 | 翌日傷のチェック。10日目抜糸。1ヶ月目と3ヶ月目にデザインチェック |
腫れについて | 2週間程度でかなり落ち着くが、傷痕の硬さの回復に要2ヶ月 |
カウンセリング当日治療 | 基本的に不可。感染症の血液検査結果があれば可能 |
入院の必要性 | 不要 |
麻酔 | 局所麻酔 |
リスク(合併症・副作用 等)
- 感染
- 細菌やウイルス等による炎症。
- 血腫
- 術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。
- 出血
- 術後やや多い量の出血を見ることです。
- 内出血
- 術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。
- 瘢痕(創跡)
- 全ての皮膚切開創は、多少の傷跡が残ります。肌質的に目立つ人もいます。
- 肥厚性瘢痕(ケロイド)
- 傷跡の中でも、膨らみや硬さが強いものです。原因は、遺伝性のため術前には防御することができません。ただし、治療法がございます。
- 色素沈着
- 瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。
- アレルギー
- 薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。
- 予定形態との差
- なるべく患者さまの意見はとりいれるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。
- 微妙な左右不対称
- 人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。
口唇の感覚障害
口唇の凹凸感
くちびるを薄くするの手術費用
項目 | 金額 (消費税込) |
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上口唇M型形成 | 440,000円 |
上唇を薄くする | 385,000円 |
下唇を薄くする | 330,000円 |
上下口唇を同時に薄くする | 660,000円 |
くちびるを薄くする手術の実際
くちびるを薄くする手術のポイント
- 使用する糸は、組織縫合(中縫い)には吸収糸、粘膜縫合(外縫い)には非吸収糸を使う
- あくまで組織の取り過ぎには十分注意をする
- 上くちびるでは上唇結節(くちびる中心の高まり)をデザインする
- くちびるの内外の境の線を乱さない様に注意する
くちびるを薄くする手術の術前

術前
くちびるを薄くする手術のデザイン

くちびるの組織の切除量をやや多めにした例です。
くちびるを薄くする手術の手術直後

手術直後の正面

手術直後に下から
くちびるの手術後の腫れは、術後1週間程度は大きく唇が腫れますが、2週間程度でかなり改善します。
傷痕の硬さは2〜3か月くらい続きますが、それが過ぎると、もとの柔らかさを取り戻すとともに、縫合痕は殆ど分からなくなります。

切除された組織
くちびるを薄くする手術の術後

術後