上まぶたのしわ・弛み取りの手術の概要
上眼瞼しわ、弛み取り(切開式ふたえまぶた)の手術は、予定とするふたえの線に沿って切開を加え、瞼板(けんばん)前組織やまぶたの皮膚、時に眼窩内脂肪(がんかないしぼう)を適度に切除しながら瞼板に瞼の皮膚を癒着させ、ふたえの線を形成する美容外科の手術です。
加齢性のしわや弛みにも対応出来ます。
上まぶたのしわ・弛み取りの欠点と利点
上まぶたのしわ・弛み取りのデメリット
上まぶたのしわ・弛み取りのデメリットは、切開式二重まぶた同様、修正が困難なことが先ず挙げられます。デザインが落ち着いた頃にもう少し大きくするという修正は可能ですが、小さくすることは時間が経過した症例以外不可能になりますので、注意が必要になります。
腫れが落ち着くまでにやや時間がかかり、大きな二重まぶたな感じを暫く我慢しなければなりません。
上まぶたのしわ・弛み取り手術の手術時間と術後経過
上まぶたのしわ・弛み取り(切開式二重まぶた)の手術は、デザインの時間を含め90分程度です。
抜糸は、手術の1週間後に行います。
上まぶたのしわ・弛み取り(切開式二重まぶた)での腫れは、術後2週間程で内出血の色や大まかな腫れが退いてきます。とりあえず落ち着いたと感じられるまでには、術後1〜2ヶ月かかります。
目を閉じた時、切開の痕が赤黒く線状に認められる期間がありますが、自然になるのには1年以上を要することがあります。
上まぶたのしわ・弛み取り手術のアフターフォロー
上まぶたのしわ・弛み取り(切開式二重まぶた)の手術後1時間ほど冷やしながらお休みいただいた後、帰宅できます。
手術後1日だけ、傷の上に小さなガーゼをあてテープで固定します。上まぶたのしわ・弛み取り(切開式二重まぶた)の手術当日は眼鏡または薄めのサングラスをご用意下さい。
洗顔洗髪は、上まぶたのしわ・弛み取り(切開式二重まぶた)の手術翌日から可能です。洗顔後、1日数回、処方された、消毒液、点眼薬、眼軟膏で傷の処置をして下さい。
手術翌日に傷のチェックを行い、1週間後に抜糸をいたします。
上まぶたのしわ・弛み取り(切開式二重まぶた)の手術の1〜2ヶ月後に状態観察、3ヶ月後にデザインチェックをいたします。やや大きめの腫れた感じのふたえの状態が少々続きますが、あわてず、落ち着くのを待ちましょう。
お化粧は、抜糸後すぐに行っても構いません。コンタクトレンズのご使用は抜糸後から可能ですが、一度装着してみて問題がなければ続けてご使用ください。
上まぶたのしわ・弛み取り手術の詳細情報
施術時間 | 90分程度 |
施術後の通院 | 翌日傷のチェック。1週間で抜糸。1〜2ヶ月後に状態観察、3ヶ月後にデザインチェック |
腫れについて | 術後2週間程で内出血の色やおおまかな腫れが退く。落ち着くまでは1〜2ヶ月。傷の赤みが取れるのに6ヶ月 |
カウンセリング当日治療 | 基本的に不可。感染症の血液検査結果があれば可能 |
入院の必要性 | 不要 |
麻酔 | 局所麻酔 |
リスク(合併症・副作用 等)
- 感染
- 細菌やウイルス等による炎症。
- 血腫
- 術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。
- 出血
- 術後やや多い量の出血を見ることです。
- 内出血
- 術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。
- 瘢痕(創跡)
- 全ての皮膚切開創は、多少の傷跡が残ります。肌質的に目立つ人もいます。
- 肥厚性瘢痕(ケロイド)
- 傷跡の中でも、膨らみや硬さが強いものです。原因は、遺伝性のため術前には防御することができません。ただし、治療法がございます。
- 色素沈着
- 瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。
- アレルギー
- 薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。
- 予定形態との差
- なるべく患者さまの意見はとりいれるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。
- 微妙な左右不対称
- 人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。
重瞼線の消失、曖昧化
眼瞼外反症
重瞼幅の大きさの不適当
眼瞼下垂
閉眼機能障害
上まぶたのしわ・弛み取りの手術費用
項目 | 金額 (消費税込) |
---|---|
二重まぶた 切開法(両側) | 440,000円 |
上眼瞼しわ、たるみ取り(切開式二重まぶた)手術の実際
上眼瞼しわ、たるみ取り手術のポイント
- まぶたの弛みを矯正するには、二重まぶたの線上で余剰皮膚を取るばかりでなく、時にはアイリフトやブロウリフトを行なうべきである
- 眼窩内脂肪(がんかないしぼう)は少量切除または切除しない。切除しすぎると、後年目の落ち窪みが目立つ
- 厚ぼったい感じの瞼には、脂肪を除去するより、瞼板前(けんばんまえ)組織を切除することを目指す
- 切開式二重まぶたは、基本的に控えめが良い
上眼瞼しわ、たるみ取り(切開式二重まぶた)手術の術前

術前

術前
上眼瞼しわ、たるみ取り(切開式二重まぶた)手術のデザイン

デザイン

皮膚切開(皮膚切開量の少なめの方)
上眼瞼しわ、たるみ取り(切開式二重まぶた)手術のデザインでの、切開予定ラインを丁寧に切開していきます。

切開した部分を切り取ります。

皮下切除、瞼板前組織の切除(皮膚切除量の多めの方)
瞼板前の眼輪筋を切除していきます。

瞼板前組織、眼輪筋の一部を切除します。
患者さまによっては、眼窩内脂肪の一部やROOFの一部を切除することもあります。

眼窩内脂肪(がんかないしぼう)を除去する場合もあります。この場合、眼窩内出血に注意し止血を良く行ないます。
眼窩内脂肪の切除は、有効な場合と悪化の場合があります。決して一律に切除すればいいものではありません。
また、眼窩内脂肪と上まぶたの垂れ込みとの関係はあまり無いとされています。
むしろ、瞼板前脂肪組織(ROOF)の切除が有効なことがあるといわれています。


黄色は眼窩内脂肪

切除した瞼板前組織
上眼瞼しわ、たるみ取り(切開式二重まぶた)での形成外科的特殊縫合
縫合の美しさは、その後の二重まぶたの自然さにつながります。
皮膚をきちんと縫い合わせるために顕微鏡またはルーペを使用すること(マイクロサージェリー)を使用して丁寧に縫合していきます。

術直後

術直後