膣縫縮術(膣縮小)の概要
膣縫縮術は、弛緩した(ゆるんだ)膣を縫い縮める美容外科手術です。
人間は立って行動するため、内蔵が重力によって骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)を圧迫します。そのため女性では年齢とともに膣が広がって緩んでくる(弛緩(しかん))傾向にあります。
さらに妊娠分娩という大仕事のため、膣は緩みやすくなってきます。このため性生活に不満が生じることも稀ではありません。
また、膣の緩みが進んでくると、ちょっとした腹圧がかかっただけで、子宮の一部が膣から脱出することもあります。
そこで、膣の入り口周囲を取り囲む球海綿体筋を縫縮し膣の弛緩を改善します。
余剰となった膣の粘膜は、入り口近くで一部切除します。
膣縫縮術(膣縮小)の欠点と利点
膣縫縮術のメリット
膣縫縮術のメリットは、膣の締まりが良くなるだけでなく、尿漏れの予防にもなります。
膣縫縮術のデメリット
膣縫縮術のデメリットは、術後1カ月ほどセックスができないことです。
膣縫縮術(膣縮小)の術後経過とアフターフォロー
膣縫縮術の術後、専用の抗生剤ローションを使用します。
タンポンは、2日後に除去します。
膣縫縮術での抜糸は、2週間後に見えるところについて行います。膣内部の抜糸は行ないません。
性行為は、術後1ヶ月程度は控えたほうがよいでしょう。
膣縫縮術(膣縮小)の手術の詳細情報
施術時間 | 2時間程度 |
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施術後の通院 | 術後2日後に消毒、タンポンを外す。14日後に抜糸 |
腫れについて | 抜糸までは腫れが続きます。1〜2ヶ月後に徐々に赤みと固さがでてきますが、3〜6ヶ月後には目立たなくなります |
カウンセリング当日治療 | 基本的に不可。感染症の血液検査結果があれば可能 |
入院の必要性 | 不要 |
麻酔 | 局所麻酔 |
リスク(合併症・副作用 等)
- 感染
- 細菌やウイルス等による炎症。
- 血腫
- 術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。
- 出血
- 術後やや多い量の出血を見ることです。
- 内出血
- 術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。
- 瘢痕(創跡)
- 全ての皮膚切開創は、多少の傷跡が残ります。肌質的に目立つ人もいます。
- 肥厚性瘢痕(ケロイド)
- 傷跡の中でも、膨らみや硬さが強いものです。原因は、遺伝性のため術前には防御することができません。ただし、治療法がございます。
- 色素沈着
- 瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。
- アレルギー
- 薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。
- 予定形態との差
- なるべく患者さまの意見はとりいれるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。
- 微妙な左右不対称
- 人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。
膣縫縮術の手術費用
項目 | 金額 (消費税込) |
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膣縫縮術(膣縮小) | 440,000円 |
膣縫縮術(膣縮小)の手術の実際
膣縫縮術(膣縮小) 手術のポイント
- 膣入り口部では膣全周の1/3程度まで大きく粘膜を切除する
- 球海綿体筋はなるべく傷つけたり切断しないようにする
- 膣入り口部では球海綿体筋をしっかり縫縮する
- 会陰から肛門にかけての傷は丁寧に縫合する
膣縫縮術(膣縮小)の手術の実際
膣の広がりやゆるみ(弛緩)を改善する手術のことを膣縮小術('膣縫縮術(ちつほうしゅくじゅつ))といいます。
膣の締まりは膣の入り口に存在する球海綿体筋(きゅうかいめんたいきん)の働きと強さに依存しています。
膣は、筋肉が存在するところより奥では、腹空内に置かれる管状の内宮を形成します。赤ちゃんがここを通り抜けるわけですから、膣の伸縮性はとても大きく、場合によっては、球海面体筋が伸展し膣粘膜に余剰ができるほど膣の弛緩現象が現れます。そこで膣口周囲の球海綿体筋を補強し余剰となった膣粘膜を切除して、膣そのものを縮めていきます。この時、膣の奥の粘膜を切除し縫合することは、意味を持ちません。
まず、膣の入り口付近の膣粘膜に切開を入れます。おおよそ膣全周の1/3を縮めるデザインです。
次に膣粘膜のみを丁寧に切除し球海綿体筋(きゅうかいめんたいきん)はできるだけ傷つけないようにします。
続いて、球海綿体筋をしっかり縫縮します。こうすることで膣の収縮力が高まり締まりが良くなります。
膣粘膜と会陰皮膚(かいいんひふ)を丁寧に縫合していきます。
最後に、抗生剤加タンポンを挿入して終了です。