スキンケアには大きく分けて、
1)肌の張りの改善(こじわ、ちりめんじわ、たるみの改善)、と
2)肌の色の改善(しみ、色素沈着、くすみ、の改善)
があります。
今回は 1)肌の張りの改善(スキンタイトニングとも呼ばれています。)に関する至極のスキンケアのお話をしましょう。
理想的な肌質といえば、赤ちゃんのほほやおしりの皮膚感を思いつきませんか?
でも、だれもが赤ちゃんだった時代があるはずですから、みんな、理想的な肌質だった時代がそれぞれあるはずですよね。
しかし、女性は25歳を過ぎた頃から、男性でも35歳を過ぎた頃から、ガサガサ、ブツブツ、シワシワ、などと表現される肌感覚に陥ってくるのです。もちろん、中には人も羨む、ツルツル、モッチリ、色白な肌の持ち主もいます。
さて、どんな方でも40歳を超えれば、さすがに、肌は衰えてくるのを実感するでしょう。
生理学的にその原因はわかっています。皮膚のコラーゲンやエラスチンの減少により皮膚が薄くなってくるためです。また、皮膚は加齢とともに弾力を失い硬くなってきます。角質は早期に剥がれにくくなり、あたかも錆びのように皮膚の上層部に溜まっていくのです。
多くの女性は、基礎化粧を念入りに行っていますよね。最近では男性の方も基礎化粧に大変興味があるようです。しかし、あなたの先輩をみてください。50歳の先輩、60歳の先輩。
このくらいの年齢の方は、女性であれば、若い頃から念入りに基礎化粧を行なっているはずなのに、肌の衰えは隠せていません。
30年前の基礎化粧品も現在の化粧品も基本的な成分はほとんど変わっていないわけですから、基礎化粧はいくら頑張っても、それほど大きな変化は得られないでしょうね。
では、エステはどうか。
日本は薬事法という法律があり、医師でない限り、薬理効果の強いお薬は使用できません。効果があれば、大抵は副作用があるからです。
エステの施術者は、大抵が医師でないことが多いいわけですから、使用されているお薬も軽いものしか使えないはずです。
だから、肌の汚れを落としたり、肌の保湿をすることはできても、肌のコラーゲンやエラスチンを増加させることはできたりしないのです。
20年くらい前でしょうか、医師がエステを行ってみてはどうか、みたいなコンセプトが出てきました。これが美容皮膚科という診療科なのです。
施術を行うのが、医師または看護師という国家資格の保有者が診療行為を行うため、合法的に処方薬剤や高度医療機器で、医療治療というスキンケアができるようになりました。
それとともに、肌質の改善を促す、薬や医療機器が研究開発されるようになってきたのです。
美容皮膚科学の走りは皮膚にやけどをおこさせながら、皮膚を活性化する劇薬から始まりました。現在のレーザーや高周波電気治療、超音波治療も真皮に軽い火傷という刺激を与え、皮膚が治癒し、再生する過程で皮膚の改善を促す理論です。
生きている皮膚は、怪我をすれば、それを治そうとして、あらたなコラーゲンやエラスチン生成します。また、場合によっては皮膚の細胞自体を増やす可能性もあります。
とても素晴らしいお話ですが、残念ながら現時点では、60歳の肌を20歳に戻すようなことにはなっていません。
私は美容クリニックを運営して25年になります。スキンケアに関しても、実際、多くの機器を経験してきました。効果が全く無かった、という経験はありませんが、「思ったほど・・・」というのが事実です。
なにしろ、美容医療に使う機械はとても高価で、維持費もばかになりません。さらに、人件費や宣伝費を考えると、どうしても治療費は「高価」なってしまいます。
つまりレーザーや高周波電気治療器あるいは超音波治療器を利用したスキンケアはその治療費がとても高いため、それに見合う効果が少ないように感じるのです。
さて、今回のテーマである「至極のスキンケア(スキンタイトニング編)」として、高価な機械を使用した美容皮膚科治療に匹敵する効果が得られるにもかかわらず、治療費がかなり安い!というものをご紹介します。
治療費が安ければ(リーズナブル)、治療を継続するのが容易になります。
よほどの富裕層でなければ1回10万円〜20万円もするスキンケアを続けるのは難しいと思いませんか?
スキンケアは続けることに意味がありますので、治療費の軽減は大きなプラスポイントになるはずです。
さて、私が推薦する至極のスキンケアとは、マイクロニードリングとTCAピーリングのコラボレージョンです。
では、このスキンケアとはいったいどんなものなのでしょう?
〔マイクロニードリングとTCAピーリング〕
マイクロニードリングとは極細の針を10〜20本束ねたハンドピースチップを高速で振動させる(毎秒2000回程度)機械にセットし、短時間に皮膚の浅い層に多数の微小な穴を穿つものです。この微小な皮膚損傷は線維芽細胞を活性化し、コラーゲン、エラスチンを再生させます。これにより、毛穴の目立ち、ちりめんジワ、ニキビ跡が改善します。
真皮層への小さな外傷的刺激という意味では、高周波電気治療、フラクショナルレーザー治療とほぼ同程度と考えられます。続いて、この施術後すぐにPRX-T33というトリクロル酢酸(TCA)を含むピーリング剤を作用させます。
PRX-T33:トリクロル酢酸33%、過酸化水素5%、コウジ酸5%、を配合しています。
PRX-T33は皮膚の腐食性が高いTCAに加え、それを中和する過酸化水素添加されています。低濃度の過酸化水素は素早く皮膚に浸透し、TCA を真皮の位置で中和させます。
これにより、皮膚のコラーゲンやエラスチン量は増加し、余分な皮膚角質は減少します。
加齢変化で薄くなった皮膚は厚さを戻し、厚く固まった角質を薄はうすくなりしなやかさを取り戻します。つまり、皮膚の若返り効果(リジュビネーション)が望めるわけです。
この施術では、患者様は痛みや不快感を感じることは殆どありません。施術時間は表面麻酔を含め2時間程度です。
また、1〜2ヶ月に1回程度は続けて施術可能です。治療費用も30,000円(33,000円消費税込み)と比較的リーズナブルです。ダウンタイムは1日程度と極めて短いのも特色です。
〔マイクロニードリングとTCAピーリングの実際〕
まず、顔全体に麻酔クリーム(エムラクリーム・キシロカインクリーム)を塗布し30〜60分放置します。麻酔作用は真皮に及びますので、多少の刺激では痛み感じることはありません。
麻酔が効いたところで、高速で動くマイクロニードル(ダーマペン)を作用させます。皮膚表面にある程度、血が滲む程度が良い効果を生みます。血が滲むということは、針先が真皮に到達したことを意味します。
顔の皮膚全体の施術

鼻部皮膚への施術

下眼瞼近くへの施術
顔の皮膚全体でも15分程度施術は終了します。
続いて、TCA(トリクコロール酸)を含有する「PRX―T33」を使用してピーリングを行います。

皮膚に付着させた少量のPRX-T33を皮膚表面に伸ばすようにマサージしていきます。
痛みがでてきたら、薬剤を拭き取ります。薬剤をふき取ると、痛みは即座に消失します。この動作を続けます。
マッサージピールは15分から30分程度で終了します。
施術後3日の状態です。皮膚にハリがでて表面が滑らかに感じます。小じわやニキビ跡、毛穴の目立ちが減少します。
施術後2〜3日は多少の赤み、かゆみ、ヒリヒリ感が残りますが、思ったよりダウンタイムは短いはずです。
施術当日から軽い洗顔やシャワー浴は可能です。施術後12時間でメイクも可能になります。
〔マイクロニドリング&マッサージピールの合併症とリスク〕
- 施術部位の赤み
- 施術部位の皮むけ
- 色素沈着
- 肌が弱い方、アトピー性皮膚炎、皮膚の感染症、皮膚のアレルギー性疾患、などでは施術は控えます。
そのほか、日光角化症、皮膚癌、血友病、の方も施術は控えます。
〔マイクロニドリング&マッサージピールの治療費〕
マイクロニードリング(ダーマペン 使用):顔全体 2万円(22,000円 消費税込み)
マッサージピール:顔全体 18,000円(19,800円 消費税込み)
マイクロニードリング&マッサージピール:顔全体 3万円(33,000円 消費税込み)