甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)の概要
のど仏は、医学的には甲状軟骨を指します。甲状軟骨は、気管の入り口あたりにあり内側に声帯を入れています。手術の際声帯を傷つけないように注意をします。
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)の手術は、のど仏の直上に2cm程度の切開で甲状軟骨を露出しこれを専用ドリル(ラウンドバー)で削ります。
甲状軟骨の裏の声帯の付着に注意をしながら、甲状軟骨を削っていきます。
甲状軟骨切除・削除の傷は、丁寧に形成外科的縫合を行います。1〜2年で傷跡は落ち着きます。

甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)の欠点と利点
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)のメリット
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)のメリットは、喉仏の吐出が減少することです。
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)のデメリット
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)のデメリットは、目立たないとはいえ、傷痕が残ることです。また、徹底的にのど仏を無くそうと深追いをすると「濁声(だみごえ)」変声を起こすことがあります。
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)の手術時間と術後の経過
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)の手術翌日に、傷の状態をチェックします。問題なければ創をテープで固定保護します。
のど仏の抜糸は、7〜10日後になります。抜糸後1〜2週間は、傷跡の上に人工皮膚や肌色テープで傷跡を保護することがあります。
テープ塗布は2カ月間が推奨ですが、目立つのが嫌ならファンデーション等でカモフラージュするのもよいでしょう。
甲状軟骨切除・削除による腫れは、術後1〜2カ月は傷が赤黒く、また、周りに硬さが出てきます。しかし、3カ月〜6カ月でこれもかなり治まります。
のど仏の傷痕は、術後1〜2年ほどで首のしわに入り込む感じに落ち着きます。
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)のアフターフォロー
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)の手術後は、肌色テープ固定と紫外線カット、2ヶ月間のステロイド加クリームの塗布を行ってください。
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)の詳細情報
施術時間 | 30分〜1時間程度 |
---|---|
施術後の通院 | 手術日翌日または翌々日傷のチェック。7〜10日で抜糸を行い、1ヶ月〜2ヶ月後傷口経過診察 |
腫れについて | 腫れは1〜2週間程度 |
カウンセリング当日治療 | 基本的に不可。感染症の血液検査結果があれば可能 |
入院の必要性 | 不要 |
麻酔 | 局所麻酔 |
リスク(合併症・副作用 等)
- 感染
- 細菌やウイルス等による炎症。
- 血腫
- 術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。
- 出血
- 術後やや多い量の出血を見ることです。
- 内出血
- 術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。
- 瘢痕(創跡)
- 全ての皮膚切開創は、多少の傷跡が残ります。肌質的に目立つ人もいます。
- 肥厚性瘢痕(ケロイド)
- 傷跡の中でも、膨らみや硬さが強いものです。原因は、遺伝性のため術前には防御することができません。ただし、治療法がございます。
- 色素沈着
- 瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。
- アレルギー
- 薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。
- 予定形態との差
- なるべく患者さまの意見はとりいれるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。
- 微妙な左右不対称
- 人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。
声がれ(濁声)(嗄声):声帯の付着部の剥離が原因
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)の手術費用
項目 | 金額 (消費税込) |
---|---|
甲状軟骨(のど仏)切除・削り | 550,000円 |
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)手術の実際
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)手術のポイント
- 甲状軟骨は、メスやラウンドバーで丁寧に削る
- 甲状軟骨の裏面に付着する声帯には十分注意する
- 完璧を目指しすぎて削りすぎない(だみ声になる)
のど仏の上には、幾層かの薄い筋肉が存在しています。のど仏の直上または首と顔の間の切開後、この筋肉を丁寧に(はくり)し甲状軟骨を露出していきます。甲状軟骨にも軟骨膜がついていますので、これもきれいに剥離(はくり)します。
患者さまが若い方ですとメスで削れる事もありますが、骨化している所もありますのでラウンドバーで丁寧に削る事もあります。
筋肉と皮膚を形成外科的に縫合して甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)の手術は完了です。
甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)手術の術前

術前

術前
のど仏形成での切開
のど仏形成での切開は、のど仏の直上または首と顔の間の部分行います。その後、筋肉等を剥離(はくり)して甲状軟骨を露出させます。

ラウンドバーで甲状軟骨を削る
甲状軟骨の裏の声帯の付着に注意をしながら、ラウンドバーで甲状軟骨を削っていきます。

甲状軟骨は、丁寧にラウンドバーで削りだしていきます。
ただし、甲状軟骨の裏面に付着する声帯には十分注意が必要です。
甲状軟骨の裏面に付着する声帯を確認しながら手術を進めていきます。

のどの縫合
のどの筋肉と皮膚を形成外科的に縫合します。

甲状軟骨切除・削除(のど仏形成)手術の術後
術後1年以上経過した傷跡です。頸部のしわに重なり瘢痕として見にくくなる事が多いのです。

術後

術後