酒井形成外科 診察予約

 

フェイスリフト

フェイスリフト手術の概要

加齢とともに、顔にはたるみや凹み、あるいは大きな表情シワが出てきます

加齢とともに、顔にはたるみや凹み、あるいは大きな表情シワが出てきます。
しかし、なかには年齢より老けて見える人もいれば、年齢不詳といわれる、顔が若く見える人もいます。
誰しもが、いつまでも若さを保ちたいと思っていることでしょう。

美容外科(形成外科)では、外見の老化を科学しながら、形成外科の技術をもって、顔の若返り手術に取り組んでいます。
顔の構造を正確に知ることから、どうして老人用の顔つきになるのか、という追求ができます。そこから若返りのフェイスリフト手術が科学的にデザインされているのです。

多少の外科手術をおこなっても、ぜひ若返りたいという方は、当院のフェイスリフト手術をご考慮ください。
また、他院でフェイスリフト手術を受けたが効果が少なかった、あるいは、傷跡が目立ってしまった、など、他院のさまざまな事柄の修正を希望する方もぜひ当院のフェイスリフト手術法を参照してください。

まず、科学されたフェイスリフト手術とはどういうものかを考えていきましょう。

酒井形成外科のフェイスリフト手術の特徴

  • 形成外科的緻密な縫合法により傷跡が目立たないよう丁寧に縫合いたします。
  • SMAS上を広く剥離し、SMASの弛みを矯正したうえでこれを筋膜で補強します。
  • 皮膚はSMASとは異なり、上方向へ牽引、固定します。余剰皮膚は切除します。
  • 血腫の防御のため、吸引ドレーンと圧迫を行い創(きず)を固定します。
  • フェイスリフト手術を行う際は、主に全身麻酔下で手術を行い患者さまの安全と安心を得られるよう心がけます。

顔の老化のメカニズムとフェイスリフト手術

老人様顔のイメージ

顔の老化の実際は上記に示した、顔の線や溝、あるいは皺となって表現されます。その原因は皮膚や皮下脂肪の老化とSMASの筋繊維の老化による組織変化です。
SMASは深部リガメントにより顔の骨を基盤に支えられていますが、加齢と共にこの支えが弱くなります。また、SMAS自体も加齢により薄くなりますので、弾力性が無くなり弛んでいきます。
顔の皮膚は皮下脂肪を挟んで、SMASと緩く接着しています。
加齢により皮膚や皮下脂肪も薄く弾力が無くなり、弛みが目立ってきます。

老人のお顔の特徴は、SMASの弛みと皮膚皮下組織の弛みが織りなす、特徴的な顔の溝や皺、陥凹と言うことができます。

老化した顔の表面を手で持ち上げてみると、たしかに若返って見えます。この事実から、顔の皮膚を切除して上へ上へ持ち上げて縫い込めば、若返る!と思われがちです。しかし、実際はそんな簡単な手術では、すぐ元に戻ってしまいます。つまりSMASの弛緩が矯正されていなければフェイスリフトは絶対に成功しないのです。

フェイスリフト手術を成功させるには、まず、SMASと顔の皮膚を分離する必要があります。そして、まず、SMASを引き締めることが大切です。つづいて、顔の表面を覆う皮膚を引き伸ばし、余剰皮膚は切除していきます。

かなり面倒な手順ですが、手を抜かず丁寧な手術と巧みな縫合技術を心がけてしっかりした結果を出しく事が、フェイスリフト手術を成功させる鍵だと思うのです。

リティニングリガメントとSMASプリケーティングの模式図

これらが、加齢とともに重力の影響で下方に伸びてしまい、皮下脂肪や皮膚の弛みが老人特有の顔表面の溝を作ってしまうのです。

顔の老化の原因

  1. SMASの弛み。
  2. 同時に皮膚も弛む。
  3. 顔を形作る4つの大切な脂肪塊の萎縮。

これら3つの要素が顔の老化の主な原因です。

顔の老化の原因

これらの老人様変化は顔の皮膚の弛みだけでなく、その下の表情筋の集合体であるSNMASのたるみが原因です。そして、特有の顔の凹凸は顔面の脂肪塊の減少が原因です。

リティニングリガメントとSMASプリケーティングの模式図

フェイスリフト手術における重要なポイント

  1. 皮下、脂肪層での広範な剥離。これでSMASの操作が容易になります。また、止血を確実に行える必要があります。
  2. 深部リガメントの位置を考慮しSMASを挙上固定します。筋膜で補助固定をすることもあります。
  3. 皮膚、脂肪層の挙上は頬部で頭部に向かって上に引き上げます。頸部では、生え際にむかって斜め上方に引き上げて固定します。
  4. 極めて精緻な縫合法を施すべきです。形成外科専門医が行う皮膚の縫合は時間がかかりますがとても緻密できれいでな仕上がりになります。
  5. 術後は必ずドレーン(吸引方式)を留置すべきです。
  6. 術後2〜3日間は、包帯でしっかり固定します。その後はフェイスバンドで適時固定をするようにします。
  7. フェイスリフトでは、全身麻酔が重要です(ただし、ミニフェイスリフトは、全身麻酔の必要はありません)。術後、頚椎症を防ぐだけで無く、患者様の術中術後の安静と精神的苦痛を軽減します。

フェイスリフト手術の範囲と適応

酒井形成外科では、患者様の状態と希望条件を考慮し、以下の手術範囲を選択しています。

トータルフェイスリフト

トータルフェイスリフト手術は、加齢が進み、顔全体に老人様の変化が現れた方の若返り手術の代表です。

前額(おでこ)の深い皺や眉毛の下垂の修正をおでこの生え際で修正します。
また、法令線やミドチークライン(ゴルゴ線)など、横顔のたるみを耳の前の切開で修正します。さらに、ジョウル(マリオネットライン)といわれる口角下の老人特有のラインは、こめかみのから耳前の切開で皮下を広く剥離することで、しっかりした修正が得られます。
もう一つ、顎下から首にかけてできる弛み(七面鳥様たるみ)などは耳の裏側から襟足の生え際を切開し、大きく皮下を剥離することで、スッキリした下顔面のフェイラインを形成できます。

手術時間は、8時間程度を要します。全身麻酔下での手術になります。
患者さまの安静と安全を確保するため、SMAS上で皮下を広く剥離し、SMASを斜め上方に引き上げ固定した後、筋膜で補強します。その後、余剰皮膚の切除を行います。
前額では、生え際に向かって、側面は上に向かって、頸部は横方向に皮膚を移動切除します。
加齢性変化が強い方にお勧めする手術です。

トータルフェイスリフトでの切開予定線と剥離範囲
トータルフェイスリフトでの切開予定線と剥離範囲

セミトータルフェイスリフト

セミトータルフェイスリフト手術は、トータルフェイスリフトから前額(おでこ)のリフトを差し引いたフェイスリフトです。

おでこには手術の必要を感じないとか、おでこの生え際の傷跡を嫌う場合にはセミトータルフェイリフトがお勧めです。耳の前、もみあげ上、耳介の後ろ、襟足の切開で顔と頸部の皮膚を大きく剥離します。
加齢性変化が強い方にお勧めする手術です。

セミトータルフェイスリフトでの切開予定線と剥離範囲
セミトータルフェイスリフトでの切開予定線と剥離範囲

ラテロテンポラールフェイスリフト

ラテロテンポラールフェイスリフト手術は、おでこや首周りの弛みは気になっていないが、法令線やマリオネットライン(ジョウル)を集中的に修正したい方にお勧めします。

こめかみから、顔面側面のフェイスリフトをお勧めします。皮下を広く剥離しますので、SMASの処理がしっかり行えます。

ラテロテンポラールフェイスリフトでの切開予定線と剥離範囲
ラテロテンポラールフェイスリフトでの切開予定線と剥離範囲

ミニフェイスリフト

ミニフェイスリフト手術は、まだ、年齢が若い方で、顔の脂肪吸引に伴う頬の皮膚の弛みの防止や、顎や頬の骨切り手術後の弛みの矯正に利用されるフェイスリフトの手術範囲です。

また、あまり大きな手術を望まない方で、法令線やマリオネットラインの修正を望む方にお勧めのフェイスリフト手術です。
ミニフェイスリフト手術では、全身麻酔は行いませんので、日帰り手術が可能です。

ミニフェイスリフトでの切開予定線と剥離範囲
ミニフェイスリフトでの切開予定線と剥離範囲

フェイスリフト手術の欠点と利点

フェイスリフト手術のメリット

フェイスリフト手術のメリットは、老人様顔貌の改善には、最も効果が高い治療法です。

フェイスリフト手術のデメリット

フェイスリフト手術のデメリットは、僅かですが傷痕が残ることです。滅多に無いとはいえ、合併症が否定できないことです。

フェイスリフト手術の術後経過

フェイスリフト手術後、1日入院します。包帯での固定を1〜2日行います
その後4〜5日はフェイスバンドを着用していただきます 。
フェイスリフト手術後の腫れは、10〜14日前後で落ち着いて来ます。内出血の可能性は低くなってきました。
抜糸を7〜10日後に行います。2ヶ月程度でやや色素沈着はのこるものの、傷跡も改善してきます。傷跡が落ち着くには1年程度が必要です。

フェイスリフト手術直後の様子 ドレーンを挿入

手術直後の様子 ドレーンが挿入されている


フェイスリフト手術のアフターフォロー

フェイスリフト手術後の包帯の除去は、退院日または退院の次の日に行います。その日に洗髪、洗顔を行います。ご自分で消毒処置ができるように薬剤の処方とその方法をお教えいたします。
その後4〜5日はフェイスバンドを終日着用していただきます。その後もできるだけ7日間程は、着用するようにお願いしています。
ご自宅では、フェイスバンドを外して洗髪・入浴が可能です。髪を乾かした後は、フェイスバンドを着用してください。
フェイスリフト手術の抜糸は、術後7日〜10日程度に行われます。術後1ヶ月、2ヶ月、6ヶ月の検診を行い状態を観察します。

フェイスリフト手術の詳細情報

施術時間 3〜8時間(手術範囲による)
施術後の通院 1〜2日後包帯除去。その後5日間フェイスバンド着用。
7〜14日後数回抜糸
1ヶ月目、2ヶ月目、6ヶ月目に状態チェック。
腫れについて 2〜3週間で内出血や大まかな腫れは退く
完全に退くのは2〜4ヶ月
カウンセリング当日治療 不可。軽度の場合は不要のこともある。
入院の必要性 必要
麻酔 全身麻酔または静脈麻酔

リスク(合併症・副作用 等)

感染
細菌やウイルス等による炎症。
血腫
術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。
出血
術後やや多い量の出血を見ることです。
内出血
術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。
瘢痕(創跡)
全ての皮膚切開創は、多少の傷跡が残ります。肌質的に目立つ人もいます。
肥厚性瘢痕(ケロイド)
傷跡の中でも、膨らみや硬さが強いものです。原因は、遺伝性のため術前には防御することができません。ただし、治療法がございます。
色素沈着
瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。
アレルギー
薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。
予定形態との差
なるべく患者さまの意見はとりいれるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。
微妙な左右不対称
人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。

顔面神経麻痺(表情筋の麻痺)
特に前額の軽い麻痺、眉毛の可動の不良、上口唇の微妙な動きが不調になることがあります。6ヶ月程度で自然治癒することが多いです。

感覚麻痺、鈍麻
耳介の感覚が低下することがあります。

耳下腺漏
SMAS下にある耳下腺の障害やステノン管の障害によりますが、SMAS下を処理しない場合には発生しません。

頭皮の脱毛
もみあげ上の傷跡が頭皮内にあるため、線上の瘢痕ハゲを感じることがあります。

皮膚壊死
皮下剥離が深すぎる場合や皮膚を引き上げる際の緊張力が高すぎると発生すると言われています。

フェイスリフトの手術費用

項目 金額
(消費税込)
トータルフェイスリフト(こめかみ、側面、あご下、頸部、前額) 2,420,000円
セミトータルフェイスリフト(こめかみ、側面、あご下、頸部) 1,980,000円
顔側面からこめかみのリフト 1,320,000円
ネックリフト 880,000円
前額、コメカミリフト(フォアヘッドリフト) 1,100,000円
コメカミリフト(テンポラールリフト) 660,000円
+顔の脂肪吸引加算(頬・あご下等) 220,000円
+広頸筋寄せ(プラティスマプリケーション)のどのたるみ矯正加算 440,000円
+ゴアテックスバンドによる吊り上げ加算 100,000円
美容的要素のあるものは自費になります。

フェイスリフト手術の実際

フェイスリフト手術のデザイン

フェイスリフト手術は、広範囲の皮下剥離が最も大切なことです。皮下剥離が行いやすく、しかも傷痕が目立たないようなデザインを考えます。

もみあげは上方に移動しますが、耳に近づき過ぎないように注意をします。

耳介前方は、傷痕が耳の穴の中に隠れるようにデザインを進めます。耳たぶ(耳垂)が引っ張られて変形しないようにするためには、耳介後部での皮膚のつり上げ固定をしっかり行うことが大切です。

フェイスリフトの切開予定線

紫の点線は耳の後ろ側になる切開予定線を示しています


顔の皮下剥離

フェイスリフト手術のデザインに沿って皮膚に切開を入れた後、皮下の剥離はできるだけ広範囲に行います。

SMAS上を丁寧に剥離するため鈍的剥離(どんてきはくり)を行います。
剥離棒(はくりぼう)は、むやみにSMAS下には届かないため、SMAS上の皮下脂肪層を丁寧に剥離することができます。

フェイスリフト手術のデザインに沿って切開

皮下の鈍的剥離(フェザリング)


続いて、はさみによる鋭的剥離(えいてきはくり)を行います。

この操作では、顔面神経や耳下腺に直接触れることがないため、顔面神経損傷や耳下腺損傷の危険性が殆ど無くなります。
SMAS上の剥離は、法令線の近くまで広範囲に行います。
剥離後、深部リガメントを支えにするようにSMASを挙上固定します。これにより、ミッドチークライン(ゴルゴ線)や法令線、マリオネットライン(ジョウル)の低下が起こります。

SMAS 上から皮膚に向かう深部リガメントのネットワークは、レティナキュラークティスとよばれ、これを皮下で切断することでリガメントの皮膚への影響を無くし、中顔面皮膚の伸張を促します。

はさみによる鋭的剥離

はさみによる鋭的剥離


深部リガメントは、下方でSMASを支えています。この上では、レティナキュラークティスとなり細かな線維としてさらに上にある皮膚を支えています。

SMASの上で、このレティナキュラークティスを切断します。

レティナキュラーティクスの切断

レティナキュラーティクスの切断


深部リガメントより奥に伸びるSMASを深部リガメントで支えるように縫縮(ほうしゅく)します。

酒井形成外科のフェイスリフト手術では、深部リガメントは切断せず、レティナキュラーキュティスを切断しSMASを残した深部リガメントに固定する方法をとっています。

深部リガメントの縫縮

深部リガメントの縫縮


SMASの縫縮

SMASは、深部リガメントの発生部位で縫縮(ほうしゅく)して張力を回復させるようにします。
この操作により、従来のフェイスリフト手術でのSMASつり上げやリガメント処理と同様の効果を得ることができます。
すなわち、法令線やマリオネットライン(ジョウル)あるいはミッドチークラインの改善に大きな貢献をもたらします。

① SMAS下には、顔面神経の枝があるためSMASの下は剥離しない

SMAS下には、顔面神経の枝があるためSMASの下は剥離しない

② 皮下を広大に剥離

皮下を広大に剥離

③ SMASを直接切除縫合する

SMASを直接切除縫合する

頸部、あご下の引き上げには側頸部でのSMAS縫縮(ほうしゅく)を行います。
また、首回りやあご下の弛みは、耳介後部の皮膚切除とつり上げですっきり感を出します。

ステイスーチャーリングを行う

フェイスリフト手術で剥離された皮膚を上方向に移動し骨膜や腱膜(けんまく)に皮下で固定を行います。

使用する糸は、ごく一部に非吸収糸を使用し、皮膚のつり上げを持続させます。その他の箇所には、太めの吸収糸(PDS糸)を利用します。

スティスーチャーリング

スティスーチャーリング(剥離した皮膚を上方向に移動)


形成外科的縫合法により、徹底した丁寧さで表皮を縫合する

形成外科的縫合法とは、真皮縫合(しんぴほうごう)という皮膚の中を丁寧に、吸収糸を使って縫合することが基本になります。

表面の縫合は、皮膚の高さをぴったり合わせることに神経を集中させます。

フェイスリフト手術での細かく丁寧な皮下縫合

術直後

フェイスリフト手術の皮下縫合(真皮縫合)の終了直後

術後2年


フェイスリフト手術の縫合での工夫
① もみあげが耳につかず自然な形態

フェイスリフト時の顔面皮膚への張力は、頬やこめかみ部位では垂直方向とします。頸部とあご下の部位は斜め上方向とします。
耳周りでは、傷痕を目立たなくさせるためと、耳垂の変形を防ぐデザインを採用します。
これは、口角がひきつれしまうことや、目元が引っ張られるといったフェイスリフト特有のフェイスリフト顔になる事を防ぐ目的があります。

さらには、耳たぶが口元に引っ張られてしまうような変形とならないように注意を払います。

酒井形成外科でのフェイスリフトデザインでは、もみあげが耳にくっついてしまうことをなるべく避けるように心がけています。
フェイスリフトの術後、できるだけ自然な感じになるように細心の注意を払っています。

みみあげが耳につかず自然な形態のフェイスリフトの例

② もみあげが耳にくっついていしまう従来のフェイスリフト

従来のフェイスリフトでは、剥離(はくり)した皮膚やSMASを斜め上方向に吊り上げていたため、もみあげは耳介の前方にくっつき、目元や口元が特有のフェイスリフト顔になっていることが多かったのです。

もみあげが耳にくっついてしまうフェイスリフト手術の例

サクションドレーンの挿入

フェイスリフトの手術中に止血は十分に行いますが、それでも完全というわけにはいきません。手術後2〜3時間はじわじわとした体液の貯留が考えられます。
これを持続的に吸引するサクションドレーンは、術後の腫れの改善だけでなくフェイスリフト手術の結果をさらに効果的にするための重要な要素だと考えられています。

フェイスリフト手術でのサクションドレーンを挿入

サクションドレーンを挿入したところ

サクションドレーン

サクションドレーン


包帯を巻く

フェイスリフト後の包帯圧迫は、サクションドレーンの留置とともに大切な術後処置です。
サクションドレーンは、手術翌日に抜去します。
包帯は退院後1〜2日で除去し、その後はフェイスバンドで軽い圧迫に変えます。包帯圧迫が長期化すると顔の腫れが取れにくくなります。

フェイスリフト手術での術直後の包帯圧迫

術直後の包帯圧迫

フェイスリフト手術での手術後第一病日(手術の翌日)の状態

手術後第一病日(手術の翌日)の状態


【コラム】フェイスリフト手術を理解するためのベッドメイキング術

人の顔の表面は皮膚とこれに緩く接着したSMASで構成されています。 本格的なフェイスリフト手術を理解するために、手術法をベッドメイキング(寝具)になぞらえてみましょう。

リティニングリガメントとSMASプリケーティングの模式図

皮膚と脂肪がかけ布団にあたり、SMASが毛布だとします。毛布と布団はくっついていませんが、皮膚とSMASは緩く接着しています。つまり、SMASが弛緩しても、それは皮膚にも皺寄せが来るということです。 老化した顔はベッドの上の布団や毛布が乱れた状態と考えられます。

リティニングリガメントとSMASプリケーティングの模式図

人が使った後のベットです。布団はシワシワになっています。

リティニングリガメントとSMASプリケーティングの模式図

布団をめくると下にある毛布もシワシワです。
顔の表面の老化は必ずSMASの弛みを伴っているのですね。

リティニングリガメントとSMASプリケーティングの模式図

めんどうなので、かけ布団だけちょっと直してみます。でも、布団全体はきれいにはなりません。
やはりきれいなベッドメイキングでは毛布を含む掛け物全体をきれいにする必要がありそうですね。

リティニングリガメントとSMASプリケーティングの模式図

まず、かけ布団を外し、毛布を整えます。フェイスリフト手術では皮下を大きく剥離しSMASを露出してこれを引き伸ばし固定することにあたります。

リティニングリガメントとSMASプリケーティングの模式図

続いて、かけ布団の皺を伸ばしながら整えます。フェイスリフト手術でいうと、皮膚と皮下脂肪の層を伸ばしながら、余剰皮膚を切除して、皮膚を固定することにあたります。

こうして、シワのないきれいなベットメイキングが完成するわけです。

リティニングリガメントとSMASプリケーティングの模式図

フェイスリフトの手術費用

項目 金額
(消費税込)
トータルフェイスリフト(こめかみ、側面、あご下、頸部、前額) 2,420,000円
セミトータルフェイスリフト(こめかみ、側面、あご下、頸部) 1,980,000円
顔側面からこめかみのリフト 1,320,000円
ネックリフト 880,000円
前額、コメカミリフト(フォアヘッドリフト) 1,100,000円
コメカミリフト(テンポラールリフト) 660,000円
+顔の脂肪吸引加算(頬・あご下等) 220,000円
+広頸筋寄せ(プラティスマプリケーション)のどのたるみ矯正加算 440,000円
+ゴアテックスバンドによる吊り上げ加算 100,000円
美容的要素のあるものは自費になります。