フェイスリフト

フェイスリフトとは

美容外科(形成外科)では、外見の老化を科学しながら、形成外科の技術を持って、顔の若返り手術に取り組んでいます。
顔の構造を正確に知ることから、「どうして老人用の顔つきになるのか」という追求ができます。そこから若返りのフェイスリフト手術が科学的にデザインされているのです。

加齢とともに、顔にはたるみや凹み、あるいは大きな表情シワが出てきます。
年齢より老けて見える人もいれば、逆に年齢より若く見える人もいます。
誰しもが、いつまでも若さを保ちたいと思っていることでしょう。

多少の外科手術を行っても、是非若返りたいという方は、酒井形成外科のフェイスリフト手術をご検討ください。
また、他院でフェイスリフト手術を受けたが効果が少なかった、あるいは、傷跡が目立ってしまった、など、他院のさまざまな事柄の修正を希望する方もぜひ当院のフェイスリフト手術法を参照してください。
まず、科学されたフェイスリフト手術とはどういうものかを考えていきましょう。


酒井形成外科のフェイスリフト手術の特徴

  • 形成外科的緻密な縫合法により傷跡が目立たないよう丁寧に縫合いたします。
  • SMAS(スマス(筋腱膜)※fig1参照)上を広く剥離はくりし、SMASの弛みを矯正したうえでこれを筋膜で補強します。
  • 皮膚はSMASとは異なり、上方向へ牽引、固定します。余剰皮膚は切除します。
  • 血腫の防御のため、吸引ドレーンと圧迫を行い創(きず)を固定します。
  • フェイスリフト手術を行う際は、主に全身麻酔下で手術を行います。

顔の老化のメカニズムとフェイスリフト手術

顔の老化の実際は、顔の線や溝、あるいはしわとなって表出します。その原因は皮膚や皮下脂肪の老化とSMASの筋繊維の老化による組織変化です。
SMAS(スマス(筋腱膜)※fig1参照)は、深部リガメント(頬骨リガメント、咬筋リガメント、下顎骨リガメント)により顔の骨を基盤に支えられていますが、加齢と共にこの支えが弱くなります。また、SMAS自体も加齢により薄くなりますので、弾力性が無くなり弛んでいきます。
顔の皮膚は皮下脂肪を挟んで、SMASと緩く接着しています。
加齢により皮膚や皮下脂肪も薄く弾力が無くなり、弛みが目立ってきます。
老人顔の特徴は、SMASの弛みと皮膚皮下組織の弛みが織りなす、特徴的な顔の溝やしわ、陥没ということができます。
年配の方の顔の表面を手で持ち上げてみると、若返って見えます。そのため、顔の皮膚を切除して上へ上へと持ち上げて縫い込めば、若返る!と思われがちです。しかし、実際にはそんな簡単な手術では、すぐに元に戻ってしまいます。つまりSMASの弛緩しかんが矯正されていなければフェイスリフトは成功しないのです。


フェイスリフト手術を成功させるには、まず、SMASと顔の皮膚を分離する必要があります。そして、まず、SMASを引き締めることが重要です。その後、顔の表面を覆う皮膚を引き伸ばし、余剰皮膚は切除していきます。

老化した顔とは、筋腱膜(SMAS)、深部リガメント(頬骨リガメント、咬筋リガメント、下顎骨リガメント)、骨膜、深筋膜が、加齢とともに重力の影響で下方に伸びてしまい、皮下脂肪や皮膚の弛みが老人特有の顔表面の溝を作ってしまった状態なのです。

fig1.顔の筋膜の構造

顔の老化の原因

  1. SMASの弛み
  2. 同時に皮膚も弛む
  3. 顔を形作る4つの大切な脂肪塊の萎縮

これら3つの要素が顔の老化の主な原因です。

老人性顔貌ろうじんせいがんぼう

老人性顔貌ろうじんせいがんぼうは、は顔の皮膚の弛みだけでなく、その下の表情筋の集合体であるSMASの弛みが原因です。そして、特有の顔の凹凸は顔面の脂肪塊の減少が原因です。

fig2.老人性顔貌

フェイスリフト手術の範囲と適応

酒井形成外科では、患者さまの状態とご希望を考慮し、以下の手術範囲を選択しています。

トータルフェイスリフト

トータルフェイスリフト手術は、加齢が進み、顔全体に老人様の変化が現れた方の若返り手術の代表です。

前額(おでこ)の深い皺や眉毛の下垂の修正をおでこの生え際で修正します。
また、法令線やミドチークライン(ゴルゴらいん)など、横顔のたるみを耳の前の切開で修正します。さらに、ジョウル(マリオネットライン)といわれる口角下の老人特有のラインは、こめかみのから耳前の切開で皮下を広く剥離はくりすることで、しっかりした効果が得られます。

もう一つ、あご下から首にかけてできる弛み(七面鳥様たるみ)などは耳の裏側から襟足の生え際を切開し、大きく皮下を剥離はくりすることで、スッキリした下顔面かがんめんのフェイラインを形成できます。

手術時間は、8時間程度を要します。全身麻酔下での手術になります。
患者さまの安静と安全を確保するため、SMAS上で皮下を広く剥離はくりし、SMASを斜め上方に引き上げ固定した後、筋膜で補強します。その後、余剰皮膚の切除を行います。
前額ぜんがく(おでこ)では、生え際に向かって、側面は上に向かって、頸部けいぶは横方向に皮膚を移動切除します。
加齢性変化の大きい方にお勧めする手術です。

fig3.トータルフェイスリフトでの切開予定線と剥離はくり範囲

セミトータルフェイスリフト

セミトータルフェイスリフト手術は、トータルフェイスリフトから前額(おでこ)のリフトを差し引いたフェイスリフトです。

前額(おでこ)には手術の必要を感じないとか、前額(おでこ)の生え際の傷跡を嫌う場合にはセミトータルフェイリフトがお勧めです。耳の前、もみあげ上、耳介の後ろ、襟足の切開で顔と頸部けいぶの皮膚を大きく剥離はくりします。
加齢性変化の大きい方にお勧めする手術です。

fig4.セミトータルフェイスリフトでの切開予定線と剥離範囲

ラテロテンポラール(顔面側面・側頭)フェイスリフト

ラテロテンポラール(顔面側面・側頭)フェイスリフト手術は、前額(おでこ)や首周りの弛みは気になっていないが、法令線やマリオネットライン(ジョウル)をリフトアップしたい方にお勧めします。

こめかみから、顔面側面のフェイスリフトです。皮下を広く剥離はくりしますので、SMASの処理がしっかり行えます。

fig5.ラテロテンポラール(顔面側面・側頭)フェイスリフトでの切開予定線と剥離範囲

ミニフェイスリフト

ミニフェイスリフト手術は、まだ、年齢が若い方で、顔の脂肪吸引に伴う頬の皮膚の弛みの防止や、あごほおの骨切り手術後の弛みの矯正に利用されるフェイスリフトの手術範囲です。

あまり大きな手術を望まない方で、法令線やマリオネットラインのリフトアップを望んでいる方にお勧めのフェイスリフト手術です。
ミニフェイスリフト手術では、全身麻酔だけでなく静脈麻酔や局所麻酔でも手術が可能なため、日帰り手術も可能です。

fig5.ミニフェイスリフトでの切開予定線と剥離範囲

フェイスリフト手術の欠点と利点

フェイスリフトのメリット

フェイスリフト手術のメリットは、老人性顔貌ろうじんせいがんぼうの改善には、最も効果が高い治療法です。

フェイスリフトのデメリット

フェイスリフト手術のデメリットは、僅かですが傷跡が残ることです。滅多に無いとはいえ、合併症が否定できないことです。

フェイスリフト手術の術後経過

フェイスリフト手術後、1日入院します。包帯での固定を1~2日行います。
その後4~5日はフェイスバンドを着用します。
フェイスリフト手術後の腫れは、10~14日前後で落ち着いて来ます。内出血の可能性は低くなってきました。
抜糸は、7~10日後に行います。2ヶ月程度でやや色素沈着は残るものの、傷跡も改善してきます。傷跡が落ち着くには1年程度が必要です。

フェイスリフト手術のアフターフォロー

フェイスリフト手術後の包帯の除去は、退院日または退院の次の日に行います。その日に洗髪、洗顔を行います。ご自分で消毒処置ができるように薬剤の処方とその方法をお話しします。
その後4~5日はフェイスバンドを終日着用していただきます。
ご自宅では、フェイスバンドを外して洗髪・入浴が可能です。髪を乾かした後は、フェイスバンドを着用してください。
フェイスリフト手術の抜糸は、術後7日~10日に行います。術後1ヶ月、2ヶ月、6ヶ月の検診を行い状態を観察します。

フェイスリフト手術の詳細情報

施術時間 3~8時間で、手術範囲によります。
施術後の通院 術後1~2日後に包帯を除去します。その後5日間フェイスバンド着用します。術後7~14日後に数回抜糸を行います。術後1ヶ月目、2ヶ月目、6ヶ月目に状態チェックを行います。
腫れについて 術後2~3週間で内出血や大まかな腫れは退いてきます。完全に退くまでには2~4ヶ月を要します。
カウンセリング当日治療 不可。
入院の必要性 必要
麻酔 全身麻酔または静脈麻酔
洗顔 洗髪 シャワー浴 退院次の日から可

リスク(合併症・副作用 等)

感染
細菌やウイルス等による炎症。
血腫
術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。
出血
術後やや多い量の出血を見ることです。
内出血
術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。
瘢痕(創跡)
全ての皮膚切開創は、多少の傷痕が残ります。肌質的に目立つ人もいます。
肥厚性瘢痕(ケロイド)
傷痕の中でも、膨らみや硬さが強いものです。原因は、遺伝性のため術前には防御することができません。ただし、治療法がございます。
色素沈着
瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。
アレルギー
薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。
予定形態との差
なるべく患者さまの意見は取り入れるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。
微妙な左右不対称
人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。
顔面神経麻痺(表情筋の麻痺)
特に前額の軽い麻痺、眉毛の可動の不良、上口唇の微妙な動きが不調になることがあります。6ヶ月程度で自然治癒することが多いです。
感覚麻痺、鈍麻
耳介じかいの感覚が低下することがあります。
耳下腺漏
SMAS下にある耳下腺の障害やステノン管の障害によりますが、SMAS下を処理しない場合には発生しません。
頭皮の脱毛
もみあげ上の傷跡が頭皮内にあるため、線上の瘢痕ハゲを感じることがあります。
皮膚壊死えし
皮下剥離はくりが深すぎる場合や、皮膚を引き上げる際の緊張力が高すぎると発生するといわれています。

フェイスリフトの手術費用

項目 治療内容 金額
(消費税込)
トータルフェイスリフト 前額(おでこ)、側頭(こめかみ)、顔側面、顎下、頸部、のリフトアップ、人工筋膜 2,750,000円
セミトータルフェイスリフト 側頭(こめかみ)、顔側面、顎下、頸部、のリフトアップ、人工筋膜 2,200,000円
顔面側面、側頭のリフトアップ 人工筋膜移植 1,210,000円
コメカミリフト コメカミから顔面上側面の小さなリフトアップ、人工筋膜 880,000円
小範囲ラテラールリフト(ミニリフト) 顔面側面の小範囲のリフトアップ 人工筋膜移植 880,000円
前額、コメカミ部の広範囲のリフトアップ 人工筋膜移植 1,320,000円
前額フェイスリフト 880,000円
顎下の小切開から首の筋肉(広頚筋)の引き上げ 人工筋膜移植 550,000円
アップグレードフェイスリフト セミトータルフェイスリフト、プラティズマタイトニング 2,750,000円
ステムサップ散布、顔脂肪吸引、脂肪注入
美容的要素のあるものは自費になります。

フェイスリフトの症例

症例1
セミトータルフェイスリフト+脂肪注入

セミトータルフェイスリフト+脂肪注入 術前
術前
セミトータルフェイスリフト+脂肪注入 術後
術後

耳前からコメカミの傷跡は目立たなくなっています

セミトータルフェイスリフト+脂肪注入 術前
術前
セミトータルフェイスリフト+脂肪注入 術後
術後
セミトータルフェイスリフト+脂肪注入 術後
術後

耳前からコメカミの傷跡は目立たなくなっています

老け顔の修正希望されました。セミトータルフェイスリフト+脂肪注入を施術しました。

この症例の価格

セミトータルフェイスリフト 脂肪注入 全身麻酔1日入院 モニター 234.4万円(税込)

この症例のリスク・副作用

顔面神経麻痺(軽度)、耳下腺障害、感染、血腫、左右差、表皮の凸凹変形、傷跡、線状はげ、大耳介神経麻痺、皮膚壊死、色素沈着

症例2
加齢による下膨れ状態の改善 セミトータルフェイスリフト

加齢による下膨れ状態の改善 セミトータルフェイスリフト 術前
術前
加齢による下膨れ状態の改善 セミトータルフェイスリフト 術後
術後
加齢による下膨れ状態の改善 セミトータルフェイスリフト 術前
術前
加齢による下膨れ状態の改善 セミトータルフェイスリフト 術後
術後
加齢による下膨れ状態の改善 セミトータルフェイスリフト 術後
術後1年の傷跡

加齢による下膨れ状態の改善を希望された、患者さまです。とくに顎下、頬のしたの下垂を指摘されています。他院で 顔の脂肪吸引をすすめられていたようです。
顔の脂肪吸引は無意味なことを説明し、顔のSMASと皮膚を引き上げることを提唱しました。ゴアテックス人工筋膜の移植が大変効果的だった症例です。

この症例のリスク・副作用

顔面神経麻痺(軽度)、耳下腺障害、感染、血腫、左右差、表皮の凸凹変形、傷跡、線状はげ、大耳介神経麻痺、皮膚壊死、色素沈着

この症例の価格

セミトータルフェイスリフト プラティズマタイトニング 全身麻酔1日入院 モニター 253万円(税込)

症例3
側面側頭のフェイスリフト

側面側頭のフェイスリフト 術前
術前
側面側頭のフェイスリフト 術後
術後
側面側頭のフェイスリフト 術前
術前
側面側頭のフェイスリフト 術後
術後

加齢男性の症例です。あまり大きな変化を望まない方でしたので側面側頭のフェイスリフトで施術しました。

この症例の価格

側面側頭フェイスリフト プラティズマタイトニング 全身麻酔1日入院 モニター 253万円(税込)

この症例のリスク・副作用

顔面神経麻痺(軽度)、耳下腺障害、感染、血腫、左右差、表皮の凸凹変形、傷跡、線状はげ、大耳介神経麻痺、皮膚壊死、色素沈着

症例4
セミトータルフェイスリフトで顔の弛みを矯正

セミトータルフェイスリフト 術前
術前
セミトータルフェイスリフト 術後
術後
セミトータルフェイスリフト 術前
術前
セミトータルフェイスリフト 術後
術後
セミトータルフェイスリフト 術後1年の傷跡
術後1年の傷跡

顔の弛みを矯正し、少しでも若返りたいという希望の患者さまです。セミトータルフェイスリフトを施術しました。
ゴアテックス人工筋膜でのSMASの引き上げを行なっています。

この症例の価格

セミトータルフェイスリフト 全身麻酔1日入院 モニター 184万円(税込)

この症例のリスク・副作用

顔面神経麻痺(軽度)、耳下腺障害、感染、血腫、左右差、表皮の凸凹変形、傷跡、線状はげ、大耳介神経麻痺、皮膚壊死、色素沈着

フェイスリフトの手術の実際

フェイスリフト手術のポイント

  • 皮下、脂肪層での広範な剥離はくりを行います。これでSMASの操作が容易になります。また、止血を確実に行います。
  • 深部リガメントの位置を考慮しSMASを挙上固定します。大腿筋膜またはゴアテックス人工筋膜でSMAS挙上の補強を行います。
  • 皮膚、脂肪層の挙上は頬部で頭部に向かって上に引き上げます。頸部けいぶでは、生え際に向かって斜め上方に引き上げて固定します。
  • 極めて精緻な縫合法を施します。形成外科専門医が行う皮膚の縫合は、時間がかかりますがとても緻密で綺麗な仕上がりになります。
  • 術後は必ずドレーン(吸引方式)を留置します。
  • 入院中は包帯固定を行います。手術次の日の退院の際、洗髪、洗顔を行いその後は5日ほどフェイスバンドで固定圧迫を行います。
  • フェイスリフトでは、全身麻酔が重要です(ただし、ミニフェイスリフトは、全身麻酔の必要はありません)。術後、頚椎症けいすいしょうを防ぐだけでなく、患者さまの術中術後の安静と精神的苦痛を軽減します。
  • 術後の入院により、疼痛と不快感の緩和を図ります。

フェイスリフト手術のデザイン

フェイスリフト手術は、広範囲の皮下剥離ひかはくりが最も重要です。そのため、皮下剥離ひかはくりが行いやすく、しかも傷跡が目立たないようなデザインを考えます。
もみあげは上方に移動しますが、耳に近づき過ぎないように注意をします。
耳介じかい前方は、傷跡が耳の穴の中に隠れるようにデザインを進めます。耳垂みみたぶが引っ張られて変形しないようにするために、耳介じかい後部での皮膚のつり上げ固定をしっかり行います。

紫の点線は耳の後ろ側になる切開予定線です
紫の点線は耳の後ろ側になる切開予定線です

顔の皮下剥離

フェイスリフト手術のデザインに沿って皮膚に切開を入れた後、皮下の剥離はくりはできるだけ広範囲に行います。
SMAS上を丁寧に剥離はくりするため鈍的剥離どんてきはくりを行います。
剥離棒はくりぼうは、むやみにSMAS下には届かないため、SMAS上の皮下脂肪層を丁寧に剥離はくりすることができます。

fig7.皮下の鈍的剥離(フェザリング)

フェイスリフト手術のデザインに沿って皮膚に切開を入れた後、皮下の剥離はくりはできるだけ広範囲に行います。
SMAS上を丁寧に剥離はくりするため鈍的剥離どんてきはくりを行います。
剥離棒はくりぼうは、むやみにSMAS下には届かないため、SMAS上の皮下脂肪層を丁寧に剥離はくりすることができます。

fig7.皮下の鈍的剥離(フェザリング)

続いて、はさみによる鋭的剥離えいてきはくりを行います。
この操作では、顔面神経や耳下腺じかせんに直接触れることがないため、顔面神経損傷や耳下腺じかせん損傷の危険性が殆ど無くなります。
SMAS上の剥離はくりは、法令線の近くまで広範囲に行います。
剥離はくり後、深部リガメントを支えにするようにSMASを挙上固定します。これにより、ミッドチークライン(ゴルゴらいん)や法令線、マリオネットライン(ジョウル)の低下が起こります。
SMAS上から皮膚に向かう深部リガメントのネットワークは、レティナキュラークティスとよばれ、これを皮下で切断することでリガメントの皮膚への影響を無くし、中顔面皮膚の伸張を促します。

fig8.はさみによる鋭的剥離

深部リガメントは、下方でSMASを支えています。この上では、レティナキュラークティスとなり細かな線維としてさらに上にある皮膚を支えています。
SMASの上で、このレティナキュラークティスを切断します。

fig9.レティナキュラークティスを切断

深部リガメントより奥に伸びるSMASを深部リガメントで支えるように縫縮ほうしゅくします。
酒井形成外科のフェイスリフト手術では、深部リガメントは切断せず、レティナキュラーキュティスを切断しSMASを残した深部リガメントに固定する方法で手術を行っています。

fig10.深部リガメントの縫縮

続いて、はさみによる鋭的剥離えいてきはくりを行います。
この操作では、顔面神経や耳下腺じかせんに直接触れることがないため、顔面神経損傷や耳下腺じかせん損傷の危険性が殆ど無くなります。
SMAS上の剥離はくりは、法令線の近くまで広範囲に行います。
剥離はくり後、深部リガメントを支えにするようにSMASを挙上固定します。これにより、ミッドチークライン(ゴルゴらいん)や法令線、マリオネットライン(ジョウル)の低下が起こります。
SMAS上から皮膚に向かう深部リガメントのネットワークは、レティナキュラークティスとよばれ、これを皮下で切断することでリガメントの皮膚への影響を無くし、中顔面皮膚の伸張を促します。

fig8.はさみによる鋭的剥離

深部リガメントは、下方でSMASを支えています。この上では、レティナキュラークティスとなり細かな線維としてさらに上にある皮膚を支えています。
SMASの上で、このレティナキュラークティスを切断します。

fig9.レティナキュラークティスを切断

深部リガメントより奥に伸びるSMASを深部リガメントで支えるように縫縮ほうしゅくします。
酒井形成外科のフェイスリフト手術では、深部リガメントは切断せず、レティナキュラーキュティスを切断しSMASを残した深部リガメントに固定する方法で手術を行っています。

fig10.深部リガメントの縫縮

SMASの縫縮

SMASは、深部リガメントの発生部位で縫縮ほうしゅくして張力を回復させるようにします。
この操作により、従来のフェイスリフト手術でのSMASつり上げやリガメント処理と同様の効果を得ることができます。
これにより、法令線やマリオネットライン(ジョウル)あるいはミッドチークラインに高い改善効果があります。

① SMAS下には、顔面神経の枝があるためSMASの下は剥離はくりしない
皮下を広大に剥離
② 皮下を広大に剥離はくり
SMASを直接切除縫合する
③ SMASをリガメント上で縫縮する
GOATEX人工筋膜でさらにSMASを挙上
④ GOATEX人工筋膜でさらにSMASを挙上
① SMAS下には、顔面神経の枝があるためSMASの下は剥離はくりしない
皮下を広大に剥離
② 皮下を広大に剥離はくり
SMASを直接切除縫合する
③ SMASをリガメント上で縫縮する
GOATEX人工筋膜でさらにSMASを挙上
④ GOATEX人工筋膜でさらにSMASを挙上

頸部けいぶあご下の引き上げには側頸部そくけいぶでのSMAS縫縮ほうしゅくを行います。(プラティズマタイトニング)
また、首回りやあご下の弛みは、耳介後部の皮膚切除とつり上げですっきり感を出します。

ステイスーチャーリングを行う

フェイスリフト手術で剥離はくりされた皮膚を上方向に移動し骨膜や腱膜けんまくに皮下で固定を行います。
使用する糸は、ごく一部に非吸収糸を使用し、皮膚のつり上げを持続させます。その他の箇所には、太めの吸収糸(PDS糸)を利用します。

fig11.スティスーチャーリング(剥離した皮膚を上方向に移動)

フェイスリフト手術で剥離はくりされた皮膚を上方向に移動し骨膜や腱膜けんまくに皮下で固定を行います。
使用する糸は、ごく一部に非吸収糸を使用し、皮膚のつり上げを持続させます。その他の箇所には、太めの吸収糸(PDS糸)を利用します。

fig11.スティスーチャーリング(剥離した皮膚を上方向に移動)

形成外科的縫合法により、徹底した丁寧さで表皮を縫合する

形成外科的縫合法とは、真皮縫合しんぴほうごうという皮膚の中を丁寧に、吸収糸を使って縫合することが基本になります。
表面の縫合は、皮膚の高さをぴったり合わせることに神経を集中させます。

フェイスリフト 術直後
術直後
フェイスリフト 術後2年
術後2年
酒井形成外科の工夫されたフェイスリフト縫合技術
もみあげが耳につかず自然な形態

フェイスリフト時の顔面皮膚への張力は、ほおやこめかみ部位では垂直方向とします。頸部けいぶあご下の部位は斜め上方向とします。
耳周りでは、傷跡を目立たなくさせるためと、耳垂みみたぶの変形を防ぐデザインにします。
これには、口角がひきつれしまうことや、目元が引っ張られるといった、フェイスリフト特有のフェイスリフト顔になることを防ぐ目的があります。
さらには、耳垂みみたぶが口元に引っ張られてしまうような変形とならないように注意をします。
酒井形成外科でのフェイスリフトデザインでは、もみあげが耳にくっついてしまうことをなるべく避けるように心がけています。
フェイスリフトの術後、できるだけ自然な感じになるように手術を行っています。

fig12.もみあげが耳につかず自然な形態

フェイスリフト時の顔面皮膚への張力は、ほおやこめかみ部位では垂直方向とします。頸部けいぶあご下の部位は斜め上方向とします。
耳周りでは、傷跡を目立たなくさせるためと、耳垂みみたぶの変形を防ぐデザインにします。
これには、口角がひきつれしまうことや、目元が引っ張られるといった、フェイスリフト特有のフェイスリフト顔になることを防ぐ目的があります。
さらには、耳垂みみたぶが口元に引っ張られてしまうような変形とならないように注意をします。
酒井形成外科でのフェイスリフトデザインでは、もみあげが耳にくっついてしまうことをなるべく避けるように心がけています。
フェイスリフトの術後、できるだけ自然な感じになるように手術を行っています。

fig12.もみあげが耳につかず自然な形態

包帯とフェイバンド

手術後入院中は包帯を巻きます。
フェイスリフトの手術翌日に退院間際に洗顔、洗髪を行い、フェイスバンドの着用に変えます。
フェイスバンドは退院後3〜4日ほど着用します。
術後の軽い圧迫は、ダウンタイムの軽減につながります。