酒井形成外科 診察予約

 

陥没乳頭(乳管を温存しつつ、乳首を出したい)

乳頭が陥没している例はよく見かけます。通常は乳頭が見えないくらいに陥没していても刺激を与えると乳頭がしっかり現れる方もいらっしゃいます。このような患者さまの場合は美容外科の手術でも治療可能です。
しかし、おへそのように乳頭が陥没し、かつ、いくら刺激を与えても乳頭が現れにくい場合、手術はかなり複雑になります。

下の図は陥没乳頭に対する簡易手術法を示します。多数のZ形成を行い乳頭部の皮膚が突出するようにします。しかし、乳管が縮小した完全な陥没乳頭には効果がありません。

陥没乳頭の手術の模式図

乳管を温存した陥没乳頭術の概要

陥没乳頭が起きる要因は、乳管の短縮にあります。つまり単純に乳頭の周りの皮膚や皮下組織を動かしても結局効果は現れません。
乳管を完全に切断できれば形は整いますが、乳汁は分泌できなくなります。
おっぱいの機能を温存させながら形態を整えるには、乳管を伸ばすという手技が必要なのです。
また、後戻り現象をできるだけ防止することも大切なテクニックになります。

おっぱいの機能を温存させながら形態を整えます

おっぱいの機能を温存させながら形態を整えていきます


陥没乳頭が起きるしくみ

陥没乳頭のしくみ

乳管が短縮し、その開口部にある乳頭が引き込まれるように陥没変形します。

陥没乳頭術の欠点と利点

陥没乳頭術のメリット

陥没乳頭術のメリットは、確実性が高い手術で、かつ傷痕が目立ちません。

陥没乳頭術のデメリット

手術手技が難しい事があげられます。術後に乳頭の補正のためのカップをつけなければならないことも煩わしさがあるかもしれません。

陥没乳頭術の手術時間と術後の経過

複雑な陥没乳頭の場合、手術時間が片方1時間もかかることがあります。
いくら傷痕が残りにくい場所といっても、丁寧な縫合が必要なのです。
麻酔は、局所麻酔で行います。
陥没乳頭術の術後は、乳管の延びが安定するまで、1週間ほど乳頭の釣り上げを行います。術後10日ほどで抜糸を行います。
陥没乳頭術での腫れは、術後2週間ほどで退きますが、徐々に硬さを増してきます。
傷痕もやや赤黒く感じるでしょう。術後2〜3ヶ月で硬さもやや落ち着き、傷痕の色合いもずっと良くなります。完全に落ち着くには6ヶ月程度を要します。

陥没乳頭術のアフターフォロー

乳管を温存した陥没乳頭の手術は、日帰りでできます。
血行の状態は大変重要ですので、術後翌日の診察は欠かさず行います。術後7日目に固定をはずします。暫くはドーナッツ状の当て物で傷を保護します。
洗髪、胸以下のシャワー浴は、陥没乳頭術の術後当日からでも構いません。乳房部のシャワー浴は、乳頭の釣り上げ器を外した当日から可能です。完全にお湯に浸かれるのは抜糸後です。
抜糸までは、ご自分で消毒をきちんと行ってください。抗生剤のローションが有効です。

乳管を温存した陥没乳頭術の詳細情報

施術時間 2〜3時間
施術後の通院 翌日に消毒。1週間後固定カップの除去。2週間後に抜糸になります
腫れについて 2週間程度
カウンセリング当日治療 基本的に不可。感染症の血液検査結果があれば可能
入院の必要性 不要
麻酔 局所麻酔

リスク(合併症・副作用 等)

感染
細菌やウイルス等による炎症。
血腫
術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。
出血
術後やや多い量の出血を見ることです。
内出血
術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。
瘢痕(創跡)
全ての皮膚切開創は、多少の傷跡が残ります。肌質的に目立つ人もいます。
肥厚性瘢痕(ケロイド)
傷跡の中でも、膨らみや硬さが強いものです。原因は、遺伝性のため術前には防御することができません。ただし、治療法がございます。
色素沈着
瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。
アレルギー
薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。
予定形態との差
なるべく患者さまの意見はとりいれるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。
微妙な左右不対称
人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。

乳頭壊死

乳腺炎

乳汁分泌異常

乳管を温存した陥没乳頭の手術費用

項目 金額
(消費税別)
陥没乳頭(片側) 25万円
美容的要素のあるものは自費になります。

乳管を温存した陥没乳頭の手術の実際

陥没乳頭の手術のポイント

  • 乳管を温存しながら伸ばすために乳頭組織内に橋渡し組織を作ること
  • 乳頭が沈まないような皮下縫合を行うこと

乳管を温存した陥没乳頭の術前

乳管を温存した陥没乳頭の術前です。
この患者さまの場合は、乳頭が勃起した場合は多少乳頭が出るのですが、通常は乳頭が殆ど埋没してしまう状態でした。

乳管を温存した陥没乳頭の術前症例

術前


乳管を温存した陥没乳頭のデザイン

乳頭内橋渡し組織を作るためAとBをデザインします。

乳管を温存した陥没乳頭のデザイン

【図1】
A : 皮膚だけを切除しておく
B : ここも皮膚だけを切除しておく

乳管を温存した陥没乳頭のデザイン(断面図)

図1の断面図


乳腺内の切開

乳管を乳腺組織まで掘り下げます。乳腺内に橋渡し組織を埋没し、さらに乳管の奥組織と乳輪外部組織の近くを中縫いし、乳頭を突出させます。

乳管内を切開

【図2】
乳管内を切開していきます

乳管内を切開(断面図)

図2の断面図


乳頭の縫合

乳頭が乳房内に落ち込むのを防止するため、AとBの組織をCの中で橋渡しをして縫合します。
陥没乳頭の縫合

さらに乳頭Cを突出させるように中縫合Nをかけます。
乳頭を突出させるように中縫合を行う

乳頭(乳首)の血行を確認し丁寧に縫合します。

乳頭(乳首)の血行を確認し丁寧に縫合

乳頭(乳首)を中縫合したところです。
乳頭(乳首)を中縫合したところ

乳頭(乳首)をつり上げ器でつり上げられるように糸をかけます。
つり上げ器でつり上げられるように糸をかける

最後に乳頭釣り上げ器(ドーナッツ状の当てもの)を作成し、乳房に取り付けて乳頭を釣り上げて固定することで傷を保護します。

陥没乳頭の術後につり上げ器による乳頭の固定

陥没乳頭の術後

術後の状態です。
通常の状態でも乳頭が出ている状態になりました。乳管も温存されています。

陥没乳頭の術前症例

術前

陥没乳頭の術後症例

術後


陥没乳頭の術前症例

術前

陥没乳頭の術後症例

術後