豊胸バッグ除去
豊胸で入れたプロテーゼを取り除きたい

豊胸バッグ除去とは

以前、豊胸バックによる豊胸術を受けたものの、豊胸バックを除去したいと考える方もいらっしゃいます。豊胸バックの石灰化による、乳房の変形や硬化が多い理由です。立って見ている分には綺麗な乳房なのですが、乳房を触ったり掴んだるすると乳房特有の柔らかさがなく、まるでバレーボールを触っている様だと嘆いていた方もいらっしゃいました。
さらに近年、乳房プロテーゼ関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)という悪性リンパ腫が報告されました。

豊胸用乳房シリコーンプロテーゼは柔らかさの追求のため、コヒーシブ・シリコーンを使っています。これは、液体シリコーンを柔らかいバックで包んでいますが、シリコーン分子がつながっているため、バックが破損してもシリコーンが流れ出さないという優れものです。
しかし、バックが破損しなくても、経年変化により、バックの表面にシリコーンが染み出してくることは以前から分かっていました。どうやら、この染み出しシリコーンをリンパ球が貪食どんしょく(細胞内に取り込む)し、リンパ節に運んでいるようなのです。安全といわれていたのですが、現時点でもその神話は崩れてきたように思われます。
このような豊胸術後の心配のため、豊胸バックを除去することを決心する方も増えているようです。


豊胸バッグ除去の欠点と利点

豊胸バッグ除去のメリット

豊胸バッグ除去のメリットは、自分の乳房の正常化が可能です。とにかく変形したり痛みがあったりすればプロテーゼは除去するしかありません。プロテーゼによる豊胸術後の乳房の悪性腫瘍の発生を防ぎことができます。

豊胸バッグ除去のデメリット

豊胸バッグ除去のデメリットは、乳房下線に傷跡がわずかに残ることです。
乳房は元通りの小さなものに戻ってしまうだけでなく、以前より乳房の皮膚に張りが無くなることがあります。

豊胸バッグ除去の手術時間と術後の経過

豊胸バッグ除去の手術は、局所麻酔で1時間程度かかります。無意識状態を規模寿される方は静脈麻酔も可能です。
乳房全体の圧迫は、包帯で2〜3日行います。その後、4〜5日でバストバンド圧迫に変更します。
豊胸バッグ除去の抜糸は、術後10日目頃を見計らいます。

術後経過とアフターフォロー

豊胸バッグ除去の傷跡は、1〜2ヶ月目が最も目立ちます。少し盛り上がり赤みも強いでしょう。6ヶ月もすると、平らになり赤みは茶味に変わることが多いと思います。
術後1〜2年で傷跡はかなり落ち着きます。

豊胸バッグ除去手術の詳細情報

施術時間 1時間程度です。
施術後の通院 術後1〜3日後に消毒等で来院します。術後7〜10日後に抜糸を行います。
腫れについて 傷跡は1〜2ヶ月目が最も目立ちます。術後1〜2年で傷跡はかなり落ち着きます。
カウンセリング当日治療
入院の必要性 不要
麻酔 硬局所麻酔、静脈麻酔
洗顔・洗髪・シャワー浴 手術次の日から可

リスク(合併症・副作用 等)

感染
細菌やウイルス等による炎症。
血腫
術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。
出血
術後やや多い量の出血を見ることです。
内出血
術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。
瘢痕(創跡)
全ての皮膚切開創は、多少の傷痕が残ります。肌質的に目立つ人もいます。
肥厚性瘢痕(ケロイド)
傷痕の中でも、膨らみや硬さが強いものです。原因は、遺伝性のため術前には防御することができません。ただし、治療法がございます。
色素沈着
瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。
アレルギー
薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。
予定形態との差
なるべく患者さまの意見は取り入れるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。
微妙な左右不対称
人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。
乳房内の石灰化

豊胸バッグ除去の手術費用

項目 治療内容 金額
(消費税込)
豊胸プロテーゼ抜去 他院施術乳房プロテーゼを抜去 550,000円
美容的要素のあるものは自費になります。

豊胸バッグ(プロテーゼ)除去手術の実際

酒井院長
酒井院長
渡部医師
渡部医師

乳房下線を切開

豊胸バッグ(プロテーゼ)除去の手術では、通常は乳房下線に沿って5cm程度の切開を入れます。
全身麻酔下であれば、腋窩えきかからのアプローチでも手術は可能です。

豊胸プロテーゼの抜去

慎重にプロテーゼの皮膜(カプセル)に至り、これを切開し古いプロテーゼを抜去します。

皮膜(カプセル)を確認し、中になるプロテーゼを破損しないように丁寧に剥離はくりします。つづいて、プロテーゼを丁寧に除去します。