顎先・頤骨切り

あご先・おとがい骨切りとは

顎先あごさきおとがい骨切りとは、長い四角いあごではなく、ほっそりした感じの「尖ったあご」になりたいと思っている方、あごを小さくしたいという方にお勧めする美容外科の手術です。

あごオトガイ骨切りの手術では、口腔内の下の前歯の歯茎のつけねに5cm程の切開を入れ、骨膜下こつまくか剥離はくりを進めるとあごの骨(下顎骨前部)が綺麗に露出します。
下顎骨の中心から2〜 3cmのところにオトガイ神経(三叉神経の末梢)が出ていますので、これより下の部分の骨は切断することが可能です。
下顎骨の前方中心からえらに向かい、なだらかになるように骨を切除します。時に男性的なしっかりしたあごを、ほっそりした感じの「尖ったあご」にすることもできます。
顎先あごさきおとがい骨切り手術中は、おとがい神経を確認するため、この神経をしっかり露出し確認後、神経を保護しながら骨切りを行います。そのため、術後一時的に顎の周囲に感覚麻痺が起こることがあります(おとがい神経麻痺)。しかし、術後2〜3ヶ月程度で自然に回復します。


顎先あごさきおとがい骨切り手術の欠点と利点

顎先あごさきおとがい骨切りのメリット

顎先あごさきおとがい骨切り手術では、口腔内から進入するため、皮膚表面に傷跡も残らず後遺症の心配も殆どありません。
あごの形が良くなります。

顎先あごさきおとがい骨切りのデメリット

顎先あごさきおとがい骨切りは、全身麻酔、入院、等病院の設備や、専用骨切り器等高度な手術機器が必要です。
フェイスバンドの着用を1週間続けなくてはなりません。腫れも2~3週間続きます。
あご の骨は切りすぎると、あご下に弛みが出ることがあります。なるべく中抜き法を利用し、おとがいの筋肉を再建するようにします。
また、頤神麻痺(あごの皮膚の感覚異常)がおこることがあります。

顎先あごさきおとがい骨切りの手術時間と術後経過

顎先あごさきおとがい骨切り手術は、全身麻酔下で行い麻酔準備を含め約1時間30分程度です。
入院中は、疼痛とうつう緩和治療を行いますので、安心してお休みいただけます。
顎先あごさきおとがい 骨切り手術の翌日には退院となりますが、5日間程度フェイスバンドを顔に巻きます。くちびるの腫れは、約1週間で落ち着いてきます。
あごの腫れは2週間程度でかなり落ち着きますが、骨切りした骨の周りの硬さが完全にほぐれるのは2ヶ月程かかります。
顎先あごさきおとがい骨切り手術の術後2ヶ月ほど、下くちびる周囲に感覚障害が残ることがありますが、いずれは自然に改善します。
口腔内は溶解糸を使うため、抜糸は必要ありません。糸は3週間程で溶解します。

顎先あごさきおとがい骨切りのアフターフォロー

顎先あごさきおとがい骨切り手術からの退院後は、お渡しするうがい液でよくうがいを行ってください。軽い歯磨きは問題ありません。
シャワー浴は退院した日から可能です。
お食事は柔らかいものなら自由です。食後はうがい等により、口腔内は清潔に保ちましょう。
フェイスバンドは術後5日程度で外します。洗髪、洗顔、シャワー浴は手術次の日から可能です。
顎先あごさきおとがい骨切り手術の術後2週間目、おおよそ腫れも退く頃に状態と傷跡の状態をチェックします。術後2ヶ月程度で効果をチェックします。

顎先あごさきおとがい骨切りの詳細情報

施術時間 約1時間30分程度です。
施術後の通院 手術当日は入院します。翌日フェイスバンドを着用して退院します。術後2週間目に状態観察。2ヶ月後に状態観察を行います。
腫れについて 唇の腫れは1週間。顎の腫れは2週間程度で落ち着きますが、完全に柔らかくなるのには2ヶ月程度を要します。
カウンセリング当日治療 不可
入院の必要性 必要
麻酔 全身麻酔
洗顔・洗髪・シャワー浴 手術翌日から可

リスク(合併症・副作用 等)

感染
細菌やウイルス等による炎症。
血腫
術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。
出血
術後やや多い量の出血を見ることです。
内出血
術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。
瘢痕(創跡)
口腔粘膜といえど、多少の瘢痕が残ります。
色素沈着
瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。
アレルギー
薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。
予定形態との差
なるべく患者さまの意見は取り入れるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。
微妙な左右不対称
人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。
神経麻痺
おとがい神経麻痺(口唇周囲の感覚麻痺)が出ることがあります。
皮下膿瘍
 

顎先あごさきおとがい骨切りの手術費用

項目 治療内容 金額
(消費税込)
オトガイ骨削り オトガイを骨削り 880,000円
オトガイ骨切り前方移動 オトガイ骨切り・オトガイ中抜き・オトガイ前出し 1,100,000円
オトガイT字骨切り オトガイ骨切り・オトガイ中抜き・オトガイT字形成 1,320,000円
ミニVライン形成 下顎骨体部削り・オトガイ形成 1,540,000円
Vライン形成 エラ・下顎骨・オトガイ頤形成 1,760,000円
輪郭3点セット オトガイ・下顎骨・頬骨形成 2,640,000円
美容的要素のあるものは自費になります。

顎先あごさきおとがい骨切りの症例

症例1
顎先(頤)が長く四角い感じを女性らしい丸く小さな顎先に

顎先(頤)が長く四角い感じを女性らしい丸く小さな顎先を希望された患者さまです。

顎先・頤骨切り手術の症例 術前
術前
顎先・頤骨切り手術の症例 術後
術後
顎先・頤骨切り手術の症例 術前
術前
顎先・頤骨切り手術の症例 術後
術後
この症例の価格

頤骨切り中抜き法 モニター 88万円(税込) (全身麻酔、入院費用別途 33万円 税込)

この症例のリスク・副作用

感染、血腫、左右差、表皮の弛み

症例2
顎先(頤)をやや短く、顎の側面の凹凸を修正したい

顎先(頤)をやや短く、顎の側面の凹凸を修正したいという希望があった患者さまです。

顎先・頤骨切り手術の症例 術前
術前
顎先・頤骨切り手術の症例 術後
術後
顎先・頤骨切り手術の症例 術前
術前
顎先・頤骨切り手術の症例 術後
術後
この症例の価格

頤骨切り中抜き法 モニター 88万円(税込) (全身麻酔、入院費用別途 33万円 税込)

この症例のリスク・副作用

感染、血腫、左右差、表皮の弛み

症例3
顎先を細く短くしたい

顎先を細く短くしたい希望のあった患者さまです。

顎先・頤骨切り 術前
術前
顎先・頤骨切り 術後
術後
顎先・頤骨切り 術前
術前
顎先・頤骨切り 術後
術後
この症例の価格

頤骨切り中抜き法 モニター 88万円(税込) (全身麻酔、入院費用別途 33万円 税込)

この症例のリスク・副作用

感染、血腫、左右差、表皮の弛み

症例4
顎先を短く、尖らせたい

顎先あごさきおとがい 骨切りの術前と経過 あご下の全体を小さくしたました。

あご下の全体を小さくした症例 術前
術前
あご下の全体を小さくした症例 術後
術後
あご下の全体を小さくした症例 術前
術前
あご下の全体を小さくした症例 術後
術後
この症例の価格

頤骨切り中抜き法 モニター 88万円(税込) (全身麻酔、入院費用別途 33万円 税込)

この症例のリスク・副作用

感染、血腫、左右差、表皮の弛み

顎先あごさきおとがい骨切りの手術の実際

顎先あごさきおとがい骨切り手術のポイント

  • 顎先あごさきおとがい骨切り手術前に3DCTを撮り、正確な骨切り計画を立てます。
  • えらに向かって下顎骨を比較的長めに骨切りを進めます。
  • 下顎のおとがい神経は十分保護します。
  • 骨髄は十分に止血します。
  • あご下に皮膚の弛みが出る場合、あご下の筋肉を顎の骨に固定したり、人工骨(バイオペックス)で補充することがあります。
  • 顎先あごさきおとがい骨切り手術後の包帯圧迫は重要です。
坂本医師
坂本医師

※バイオペックス : ペースト状追記 ハイドロキシアパタイト製剤で人工骨になる素材です

3DCTによる検査

顎先あごさきおとがい骨切りの手術の前に3DCT付きのCT検査を行うことで、患者さまの立体(3D)の骨モデルで細かく確認できるようになります。
レントゲン検査では分からなかった顔面骨の細かな状態が確認できます。

3DCT画像
3DCT画像

顎先あごさきおとがい骨切りの手術の前に撮影した3DCTスキャンでは、特に向かって右側のえらが張り出しているのが確認できます。
また、顎はかなり前方に出ています。
この3DCTスキャンの映像を参考に美しいラインを設定できます。

あごの全面を露出する

二つの穴は感覚神経(おとがい神経(三叉さんさ神経の末梢)が出ている所です。

fig1.おとがい神経(三叉さんさ神経の末梢)

二つの穴は感覚神経(おとがい神経(三叉さんさ神経の末梢)が出ている所です。

fig1.おとがい神経(三叉さんさ神経の末梢)

おとがい神経より下は骨切りが可能ですが、あまり高い位置で骨切りを行うと、えらに向かって長く切り上げる必要が出てきます。
また、術後にあご下の弛みが顕著になります。

あごの骨を切り出す

あご骨を切るデザインは、下顎の骨に細い溝を掘り印をつけます。
その後、デザインした、下顎の骨の溝に沿ってサジタールそうで骨を水平に滑らかに切断していきます。

fig3.骨を切るデザインとサジタール鋸

あご骨を切るデザインは、下顎の骨に細い溝を掘り印をつけます。
その後、デザインした、下顎の骨の溝に沿ってサジタールそうで骨を水平に滑らかに切断していきます。

fig3.骨を切るデザインとサジタール鋸

あご骨の削り出し

最後に骨切除面を削り、細かいディテールを削り出すとともに、あごの面を滑らかにして行きます。

fig4.あごの骨切面を削り出し

最後に骨切除面を削り、細かいディテールを削り出すとともに、あごの面を滑らかにして行きます。

fig4.あごの骨切面を削り出し