頬の骨をきれいにする美容外科手術の概要
頬の骨をきれいにする美容外科手術には、大きく分けて頬骨を小さくする手術と頬骨を大きくする手術があります。
頬の骨を小さくする(リダクション)
頬が高い、顔の横が張っている、いわゆる「カニ顔」は韓国や日本の民族に特有な頬骨や頬骨弓の高まりが要因です。これを矯正する手術法として、
a) 頬骨・頬骨弓の骨削り
b) 頬骨・頬骨弓骨切り、内側移動固定
という2つの手術法があります。
どちらの手術も口腔内の上の歯列の歯茎の元を切開し、頬骨全体を露出することから始まります。耳前部にも1cmほどの皮膚切開から頬骨弓の元を露出し、削ったり骨切りを行います。頬骨・頬骨弓骨切り、内側移動固定術の場合は、チタンのミニプレートで固定をします。
頬の骨を増大する(オオグメンテイション)
頬骨が貧弱でげっそりした感じのお顔に適応されます。あらかじめ精密CTデータから患者さまの顔の精密な3Dプリントを作成し、これから患者さまにカスタマイズされた人工骨のピースを作成しておきます。これを口腔内の切開創から頬骨移植する手術です。
頬の骨をきれいにする美容外科手術の利点と欠点
頬の骨を削る(頬骨削り・頬骨弓削り)手術
頬の骨を削る(頬骨削り・頬骨弓削り)手術のメリット
頬の骨を削る(頬骨削り・頬骨弓削り)は、以前は外側よりの進入(目の下の切開)でしたが、現在では外面の傷痕も小さくなりました。
頬の骨を削る(頬骨削り・頬骨弓削り)のデメリット
頬の骨を削る(頬骨削り・頬骨弓削り)は、3〜4日間は包帯を巻いた状態で生活する必要があります。腫れも3週間程度は続きます。
頬骨を削ると、ほほの肉が弛むことが有ります。この場合十分腫れが引いたあと、顔面側面のフェイスリフトで改善します。
人工骨(バイオペックス)による頬の増大
人工骨(バイオペックス)による頬の増大のメリット
頬骨増大で使用されていた他のものとしては自家化骨(骨盤骨)とシリコンプロテーゼがあります。自家骨は採取が大変ですし、そこに傷跡が残ってしまいます。またかなり吸収が起こるため変形が危惧されます。シリコンプロテーゼは周囲に浸出液がたまったり、骨を破壊したりとてもトラブルが多いものです。人工骨(バイオペックス)は、これらを改善した手術法でしょう。
人工骨(バイオペックス)による頬の増大のデメリット
人工骨はいずれご自分の骨になっていきます。感染の危険性が僅かに上がります。また、やや大きく表現されることがあり、後日修正が必要なことがあります。
頬の骨をきれいにする美容外科手術の手術時間と術後の経過
頬の骨を削る(頬骨削り・頬骨弓削り) 頬骨・頬骨弓骨切り、内側移動固定術
頬骨削りや頬骨骨切りの手術は、全身麻酔の準備を含め3時間ほどかかります。この日は入院します。
術後の疼痛は、薬剤等により緩和されます。
頬の骨を削る手術の翌日には退院になりますが、退院後2〜3日間は圧迫包帯を顔や頭を包むように巻いておきます。
包帯は、術後2〜3日目に取り去り、洗髪を行います。
唇の腫れ(たらこくちびる状態)はおおよそ2週間程度続きます。
ほっぺたや横顔の部分の腫れは、3週間ほどでかなり落ち着きますが、完全に柔らかくなるのに2ヶ月ほどかかります。
口腔内は溶解糸を使用しますので、抜糸は必要ありません。2〜3週間で自然に溶けてしまいます。耳の前の小さな傷の抜糸は、術後7日で行います。
人工骨(バイオペックス)による頬の増大
人工骨(バイオペックス)移植の手術は、全身麻酔下で2時間程度で終了します。
手術当日は入院をします。手術翌日に退院できます。
手術後は2〜3日顔に包帯を巻き、局所に軽い圧迫をかけます。術後3日程度で包帯を除去し、シャンプーをしますので、とてもすっきりします。
人工骨移植の手術による腫れは、2〜4週間程度である程度落ち着きます。口唇が腫れることがありますが、1週間程度で落ち着きます。
口腔内の縫合は、溶解糸を使用しますので抜糸は必要ありません。2〜3週間で自然に無くなります。
頬の骨をきれいにする美容外科手術のアフターフォロー
退院後、渡されたうがい液でよくうがいをしてもらいます。
お食事は柔らかいものなら特に問題ありません。軽い歯磨きもできます。
包帯除去後は洗顔洗髪や入浴も自由です。
おおよそ腫れが引き始める2週間までは、うがいを励行し口腔内を清潔に保ちましょう。
頬の骨をきれいにする美容外科手術の術後4〜5日目に包帯を除去した後は、2週間目の状態観察と2ヶ月後のチェックをいたします。
頬の骨をきれいにする手術の詳細情報
施術時間 | 約3時間 |
施術後の通院 | 術後2〜3日後に包帯除去。2週間目に状態観察。2ヶ月後にチェック |
腫れについて | 唇の腫れ約10日間。頬やえらの腫れ約3週間、完全に柔らかくなるのに2ヶ月。 術後2ヶ月は下唇から顎にかけて感覚障害がある場合がありますが、自然に改善します |
カウンセリング当日治療 | 不可 |
入院の必要性 | 必要 |
麻酔 | 全身麻酔 |
リスク(合併症・副作用 等)
- 感染
- 細菌やウイルス等による炎症。
- 血腫
- 術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。
- 出血
- 術後やや多い量の出血を見ることです。
- 内出血
- 術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。
- 瘢痕(創跡)
- 全ての皮膚切開創は、多少の傷跡が残ります。肌質的に目立つ人もいます。
- 肥厚性瘢痕(ケロイド)
- 傷跡の中でも、膨らみや硬さが強いものです。原因は、遺伝性のため術前には防御することができません。ただし、治療法がございます。
- 色素沈着
- 瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。
- アレルギー
- 薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。
- 予定形態との差
- なるべく患者さまの意見はとりいれるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。
- 微妙な左右不対称
- 人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。
漿液の貯留
知覚神経(三叉神経)麻痺・鈍麻
額の凹凸感
頬の骨をきれいにする美容外科手術の手術費用
項目 | 金額 (消費税込) |
---|---|
【頬骨】 | |
頬骨・頬骨弓骨削り術 | 1,100,000円 |
頬骨・頬骨弓骨切り内側移動固定術 | 1,320,000円 |
頬骨増大術(人工骨移植)(人工骨作成費用50万円、手術費用100万円) | 1,650,000円 |
法令線ハイドロキシアパタイト移植 | 550,000円 |
頬部脂肪注入 | 440,000円 |
頬骨削り・頬骨弓削り手術の実際
頬骨・頬骨弓削り手術のポイント
- 頬骨削り・頬骨弓削り手術前に3DCT検査を行う
- 必ず内視鏡で確認しながら手術を進める
- 頬骨や頬骨弓の削骨部分は術後しっかり圧迫をかける
口腔内歯茎上の切開
頬骨削り・頬骨弓削り手術では、口腔内上歯茎の奥に2cmほどの切開を左右とも入れます。
ここから、骨膜下に剥離を進めると、眼窩の骨から頬骨弓の前面まで意外に大きく開くことができます。
ただし、このとき三叉神経の末梢である眼窩下(がんかか)神経には十分注意します。
見えにくい所は、内視鏡で確認します。

口腔内歯茎上の切開
頬骨全体から頬骨弓を削ります
口腔内の切開からレシプロケータ(顔面骨用削骨器)を入れ、頬骨全体から頬骨弓の前方までを丁寧に削ります。
最後に頬骨の左右差が無いことを確認します。


頬骨全体から頬骨弓を削ります
頬骨弓の突出が取れにくい場合
どうしても頬骨弓の突出が取れにくい場合、耳の前に1cm程度の小さな切開を入れ、ここから頬骨弓の上面に沿って骨膜を剥離し、口腔内の傷とトンネル状に開通させます。
ここからレシプロケーターを使い、さらに頬骨弓の後部を削ることもできます。

レシプロケーターを使い、さらに頬骨弓の後部を削る
頬骨削り・頬骨弓削り手術の術後

術前

術後

術前

術後

術前

術後
上症例
頬骨と頬骨弓を削り顔の幅を狭くしました。リスク、副作用:血腫、左右不対称、感覚障害、感染、予定形形態との差、
手術費用:110万円(モニター価格)プラス全身麻酔入院費用が30万円
ごつごつしたフェイスラインがすっきりした曲線にになり、丸みを帯びたやさしいフェイスラインになりました。
主なリスク 副作用
感染・血腫・出血・左右不対象・予定形態との差
頬骨・頬骨弓骨切り内側移動固定術の実際
頬骨・頬骨弓削り手術のポイント
- 術前のCT検査による確認
- チタンプレートまたは糸による固定
- 手術後の圧迫(止血の拡充)
口腔内上歯茎上方での粘膜切開
頬骨・頬骨弓骨切り内側移動固定術では、口腔内の上歯茎の上方奥を3cmほど口腔粘膜を切開し、骨膜下に剥離を進めます。眼窩(がんか)の下から頬骨、頬骨弓前方が広く露出します。眼窩下神経(感覚神経)には十分注意を払います。

口腔粘膜を切開していきます
頬骨のブーメラン型骨切り
頬骨の骨膜が十分剥離したのち、頬骨骨体部にブーメラン型の骨切りを行います。これは左右差を起こさないためと、術後に頬骨がずれないために工夫される骨切りデザインです。

頬骨のブーメラン型骨切り 正面

頬骨のブーメラン型骨切り 横側
頬骨の内側移動と固定
移動が可能になった頬骨骨片を内側に移動させ、プレートまたは糸で固定します。この施術により頬骨の幅は減少します。

頬骨の内側移動固定 正面

頬骨の内側移動固定 横側
人工骨(バイオペックス)を利用した頬骨の増大の実際
患者様には術前検査として顔面骨のCTスキャンを行ってもらいます。このデータから3Dプリントを作成します。
その上で、人工骨を個人に合わせカスタマイズしていきます。
CT検査から人工骨のインプラントの完成までおおよそ3週間を要します。

3D模型で人工骨(バイオペックス)のカスタマイズを行います

3D模型で人工骨(バイオペックス)のカスタマイズを行います
カスタマイズされた人工骨を患者様の両頬に移植します。手術は全身麻酔下で口腔内の切開から行うことができます。

人工骨(バイオペックス)による頬の増大手術

人工骨(バイオペックス)移植後1年

人工骨(バイオペックス)移植後5年:旧人工骨の吸収は起こっていない
手術費用
項目 | 金額 (消費税込) |
---|---|
【頬骨】 | |
頬骨・頬骨弓骨削り術 | 1,100,000円 |
頬骨・頬骨弓骨切り内側移動固定術 | 1,320,000円 |
頬骨増大術(人工骨移植)(人工骨作成費用50万円、手術費用100万円) | 1,650,000円 |
法令線ハイドロキシアパタイト移植 | 550,000円 |
頬部脂肪注入 | 440,000円 |