ブロウリフト/アイリフトの手術の概要
ブロウリフトは、眉毛の上の生え際からおでこに向かって皮膚を切除し、眉毛と共に上まぶたの弛みを矯正する美容外科の手術です。
アイリフトは、眉毛の下の生え際から上まぶたに向かって皮膚を切除し、上まぶたの弛みを矯正する美容外科の手術です。
切開式二重まぶた手術に伴う上まぶたの弛み取りには限界があり、この限界を超えてまぶたの皮膚を切除しすぎると不自然な二重まぶたになります。(「ふたえの線での皮膚切除が多いと不自然になる理由」)
このような場合には、ブロウリフトやアイリフトの手術を考えます。
ブロウリフトを選択する場合は、眉毛の弛みも気になる症例の場合です。
アイリフトを選択する場合は、眉毛は吊り上げずに上まぶたの垂れ込みだけを矯正しようとする場合です。
切開式二重まぶた手術に伴う上まぶたの余剰皮膚の切除だけでは、どうしても不自然になりがちな上まぶたの弛み矯正には、このブロウリフトやアイリフト手術の併用はとても良い方法です。

眉毛と共に上まぶたの弛みを矯正するのがブロウリフト
眉毛の下の生え際から上まぶたに向かって矯正するのがアイリフト
ブロウリフト・アイリフトの欠点と利点
ブロウリフト(眉上皮膚切除術)・アイリフト(眉下皮膚切除術)のメリット
ブロウリフト・アイリフト手術のメリットは、切開式二重まぶたの手術で二重まぶたのラインで上眼瞼の弛みを大量に取ろうとすると、どうしても不自然になり易かったのですが、ブロウリフト・アイリフト手術を一緒に行うととても自然な仕上がりになります。また、目のリフティングとしてエイジング・ケアの手術にもなります。
ブロウリフト(眉上皮膚切除術)・アイリフト(眉下皮膚切除術)のデメリット
ブロウリフト・アイリフト手術でのデメリットとしては、殆ど目立たないとはいえ、傷痕が皆無ではないことです。
眉上の皮膚は前額(おでこ)の皮膚と同じでとても厚い皮膚です。
創傷治癒過程(傷が治る過程)で一時的に傷跡が盛り上がる時期があり、その際この部位の傷跡は目立つことが多いのです。傷跡が眉から少し離れて見える場合もあります。傷跡が落ち着くまでの時間は、個人差があります。しかし、反応が強い方でも1年程度で落ち着いてきますので、根気良く待たなければならない時期があります。
ブロウリフト・アイリフト手術の手術時間と術後経過
ブロウリフト(眉上皮膚切除術)・アイリフト(眉下皮膚切除術)の手術は、丁寧な縫合が大切です。そのため手術時間は90分くらいを予定します。
また、綺麗な術後のためには術前のデザインは大切です。ブロウリフト・アイリフト手術では、0.5mm単位で丁寧な手術設計をいたします。時にはこの手術のデザインに、30分を要することがあります。
ブロウリフト・アイリフト手術の抜糸は、術後7日頃に行います。
ブロウリフト・アイリフト手術による腫れは、大まかな腫れと内出血の色が落ち着いてくるまでに、術後2週間程度かかります。術後2〜3カ月頃には、傷痕がやや硬く盛り上がる感じを受けることがあります。ブロウリフトの場合には一時的に傷跡がわずかに盛り上がったり、傷跡が眉と離れて見える事があります。
その後、術後4〜6カ月で傷痕はほぼ落ち着きますが、人によってはある程度落ち着くのに1年程度を要する場合があります。また、一般的にも傷跡は引き続き2から3年をかけてより目立たなくなっていくものです。
ブロウリフト・アイリフト手術のアフターフォロー
ブロウリフト・アイリフト手術の術後1時間ほど冷却しながらお休み頂いた後、ご帰宅できます。
術後1日間だけ傷の上にガーゼをあてテープで圧迫固定します。
ブロウリフト・アイリフト手術の翌日にガーゼ圧迫を外しテープ固定とします。特に問題が無ければ7日後の抜糸まではご自分で消毒をお願いしています。
消毒薬は、酒井形成外科で処方します。その時に消毒法をお教えいたします。
洗顔洗髪は、術後翌日のチェックで問題がなければ行って構いません。また傷以外の場所は、お化粧も可能です。
抜糸は、ブロウリフト・アイリフト手術の7日後です。抜糸後は、一般の生活が全て可能になります。
ブロウリフト・アイリフト手術の術後1〜2カ月後と術後6カ月後に、状態観察のため来院をお勧めしています。
ブロウリフト・アイリフト手術の詳細情報
施術時間 | 30分〜1時間半程度 |
施術後の通院 | 1週間後抜糸。1ヶ月目と3ヶ月目にデザインチェック |
腫れについて | 2〜3週間程度でかなり落ちつく |
カウンセリング当日治療 | 基本的に不可。感染症の血液検査結果があれば可能 |
入院の必要性 | 不要 |
麻酔 | 局所麻酔 |
ブロウリフト・アイリフトの手術費用
項目 | 金額 (消費税込) |
---|---|
ブロウリフト(眉上皮フ切除)(両側) | 550,000円 |
アイリフト(眉下皮フ切除)(両側) 単純 | 440,000円 |
アイリフト(眉下皮フ切除)(両側) 複雑 | 550,000円 |
ブロウリフト・アイリフトの症例
ブロウリフト(眉上皮膚切除術) 症例1
ブロウリフト 術前
眉尻が下がり、悲しそうな表情となっていました。加齢による眉尻垂れ込みはよく見られる症状です。
開眼時

術前
ブロウリフトのデザイン
眉尻のブロウリフト(眉上皮膚切除)と上眼瞼への脂肪注入を行いました。

デザイン
ブロウリフトの手術直後
ブロウリフトの手術直後の縫合です。丁寧な縫合が重要です。

術直後
ブロウリフト 手術後2ヶ月目
ブロウリフト手術の2ヶ月後の状態です。まだ、腫れているため、ふたえ(重瞼(じゅうけん))の幅は広く厚く感じます。
開眼時

術後2ヶ月
ブロウリフト 術後1年目
ブロウリフト手術の術後1年目の状態です。眉尻が上がり、ふたえ(重瞼(じゅうけん))も自然になってきました。
開眼時

術後1年
この症例の手術費用
アイリフト+眼瞼脂肪注入 495,000円(モニター価格、税込)(通常価格66万円 税込)
主なリスク 副作用
感染、角膜炎、結膜炎、予定外重瞼線、重瞼線の消失、傷跡
ブロウリフト(眉上皮膚切除術) 症例2
ブロウリフト術前
目を大きく、目元に優しさが出ることを希望された患者さまです。瞼が重く目つきが細く感じていた方です。
開眼時

術前
ブロウリフトのデザイン
ブロウリフトのデザインは、眉を上げふたえ(重瞼(じゅうけん))の幅をやや広くしてみました。

デザイン
ブロウリフトの手術直後の状態
ブロウリフト手術の腫れは、少なくとも2か月は続きます。また、内出血の紫青色が眼瞼に現れますが、2〜3週間で消失します。
開眼時

術直後
閉眼時

術直後
ブロウリフトの手術 術後1週間
ブロウリフト手術の術後1週間では、まだとても腫れています。ふたえ(重瞼(じゅうけん))の幅は予定よりかなり広い感じです。
開眼時

術後1週間
眉上の皮膚は厚いので、ブロウリフト手術の術後1週間頃から、創傷治癒過程の増殖期になります。そのため、傷跡の盛り上がりが見て取れます。
閉眼時

術後1週間
ブロウリフトの手術 術後2ヶ月
ブロウリフト手術の術後2ヶ月で、ふたえ(重瞼(じゅうけん))は落ち着いてきました。しかし、眉上の傷跡はまだ硬さや赤み、盛り上がりが見えます。
開眼時

術後2ヶ月
まぶたを閉じると、ふたえ(重瞼(じゅうけん))の傷跡や赤みがあります。
閉眼時

術後2ヶ月
この症例の手術費用
ブロウリフト+切開重瞼 55万円(モニター価格、税込) (通常715,000円 税込)
主なリスク 副作用
感染、角膜炎、結膜炎、予定外重瞼線、重瞼線の消失、傷跡
ブロウリフトの手術 術後8ヶ月
ブロウリフト手術の術後8ヶ月頃から傷跡はかなり落ち着きます。2年くらいかけてさらに落ち着き、自然な感じになっていきます。なお、傷跡の落ち着き具合には、個人差があります。
開眼時

術後8ヶ月
閉眼時

術後8ヶ月
アイリフト(眉下皮膚切除術) 症例3
アイリフト術前
上眼瞼の余剰皮膚の調整とあっさりしたふたえが希望です。加齢により眼瞼皮膚が垂れ込んでいます。

術前
アイリフトのデザイン
アイリフトのデザインは、眉下皮膚切除と小さめのふたえ線(重瞼線(じゅうけんせん))での皮膚切除を行いました。切開式二重まぶたの手術を希望していたのですが、重瞼線だけで皮膚を切除すると広くもったりした感じになってしまいます。

デザイン
アイリフトの手術直後の状態
アイリフトの手術直後の状態です。とても腫れています。

術直後
アイリフトの手術 術後2ヶ月
アイリフトの術後2ヶ月の状態です。手術での腫れが続いているため、ふたえ(重瞼(じゅうけん))の幅は広く感じます。
開眼時

術後2ヶ月
閉眼時

術後2ヶ月
アイリフトの手術 術後1年
ブロウリフトの術後1年では、眉下の傷跡は目立たなくなっています。腫れが改善し、予定通りのあっさりしたふたえ(重瞼(じゅうけん))になっています。
開眼時

術後1年
閉眼時

術後1年
この症例の手術費用
アイリフト+切開重瞼 55万円(モニター価格、税込)(通常715,000円 税込)
主なリスク 副作用
感染、角膜炎、結膜炎、予定外重瞼線、重瞼線の消失、傷跡
アイリフト(眉下皮膚切除術) 症例4
アイリフト術前
こちらの患者さまは、上眼瞼の弛みの修正を希望されていました。同時にふたえ(重瞼(じゅうけん))の修正を行いました。

術前
アイリフトのデザイン
切開式二重まぶたでのふたえ線(重瞼線(じゅうけんせん))での皮膚切除は控え目ですが、眉下の皮膚はアイリフトで、しっかり切除するデザインにしました。

デザイン
アイリフトの手術直後の状態
アイリフトの手術直後の状態です。術後の腫れが著しいため、眼裂の狭小がみられます。
開眼時

術直後
高齢者では内出血も多くなる傾向にあります。丁寧な縫合はとても大切な事項です。
閉眼時

術直後
アイリフトの手術 術後1年
アイリフトの術後1年目の状態です。手術での腫れが改善し、眉下の傷跡も目立たなくなり、ふたえ(重瞼(じゅうけん))もあっさりした仕上がりになりました。
開眼時

術後1年
アイリフトと切開式二重まぶた手術での傷跡は、目立たなくなりました。
閉眼時

術後1年
この症例の手術費用
アイリフト+切開重瞼 55万円(モニター価格、税込)(通常715,000円 税込)
主なリスク 副作用
感染、角膜炎、結膜炎、予定外重瞼線、重瞼線の消失、傷跡
リスク(合併症・副作用 等)
- 感染
- 細菌やウイルス等による炎症。
- 血腫
- 術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。
- 出血
- 術後やや多い量の出血を見ることです。
- 内出血
- 術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。
- 瘢痕(創跡)
- 全ての皮膚切開創は、多少の傷跡が残ります。肌質的に目立つ人もいます。
- 肥厚性瘢痕(ケロイド)
- 傷跡の中でも、膨らみや硬さが強いものです。原因は、遺伝性のため術前には防御することができません。ただし、治療法がございます。
- 色素沈着
- 瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。
- アレルギー
- 薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。
- 予定形態との差
- なるべく患者さまの意見はとりいれるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。
- 微妙な左右不対称
- 人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。
閉眼障害
眉毛形態異常
ブロウリフト・アイリフト手術の実際
ブロウリフト・アイリフト手術の術前
上眼瞼の落ち窪み、まぶたの弛み 眉尻の垂れ込みの矯正を目的としました。

術前
ブロウリフト・アイリフト手術のデザイン
ブロウリフト・アイリフト手術のデザインでは、眉毛の上の際または、下の際から徒弟皮膚切除量を算定します。
患者さまの上まぶたの部分をピンセット等でつまみあげ、上まぶたや眉毛の弛みの改善を確認しながらマーカーでデザインを描きます。

ピンセット等でつまみあげながら確認していきます
アイリフトのデザイン

ブローリフトのデザイン

ブロウリフト・アイリフトでの形成外科的特殊縫合
ブロウリフト・アイリフトの手術では、形成外科的切開と縫合を丹精込めて丁寧に行ないます。
形成外科ならではの縫合法です。

ブロウリフト・アイリフト手術の、縫合直後の状態です。

ブロウリフト・アイリフトの、手術途中の状態です。左側は手術が終了しています。これから手術を行う右側と比べてみてください。

左側は手術が終了。右側はこれから。
形成外科的特殊縫合法
患者さまから見た場合、ブロウリフト・アイリフト手術は傷痕が目立つのではないかという心配があると思います。
たしかに傷痕は「ゼロ」にはなりません。しかし、6カ月くらいで殆ど「ゼロ」になったように感じるくらい、傷痕が目立たなくなります。
しかし、そのためには形成外科専門医の職人的縫合手技が必要なのです。
その秘技をちょっとだけご紹介いたします。
1.ブロウリフト・アイリフト手術での切開予定線にメスを入れる
一定方向に一定の力で一気にメスを動かします。メスは若干斜め内則に向けています。
これが形成外科的縫合のコツなのです。

2.皮膚はある一定の深さで切除
皮膚はある一定の深さで切除していきます。

3.中縫い
形成外科ではこの手技のレベルが、傷痕を綺麗に出来るかどうかの分かれ目です。
細かく縫っているから綺麗になるのではありません。
この中縫いが決め手なのです。


中縫いが終了したところです。

4. 皮膚縫合
ブロウリフト・アイリフトの縫合を完成させます。
ルーペまたは顕微鏡を使用するマイクロサージェリーで、細かな所まで縫い込みます。

皮膚縫合の終了
